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YouTube、テレビ視聴体験の最適化へ新機能 動画の自動高解像度化・ショッピング機能など

【榎本編集長】

「アメリカのYouTubeで地殻変動が起きつつある。今回、発表されたYouTubeのテレビ視聴の改善(AIでアップスケール、QRコード表示)は(1)アメリカでYouTubeをテレビで見るユーザー数がスマホを超えたこと、(2)YouTubeのショートの広告売上が長尺を超えたこと(視聴時間あたり)を反映したもの。テレビで快適にYouTubeを視聴できるように、低解像度の動画をAIでHD品質に自動的にアップスケールされるようになった。商品のQRコードを動画で表示するのは現在の規約でもできないこともないが、大画面テレビで無理のないサイズで自動的に表示されたり、YouTubeの解析ツールでQRコードのコンヴァージョン率などをチェックできるようになる。テレビで音楽ビデオを視るYouTubeユーザーがチケット、アーティストグッズを購入することもできるようになりそうだ。ライブコマース市場は、本場中国では100兆円規模に達している一方、テレビ大国のアメリカですらその10分の1ほどしかない。広告収益やサブスク収益に続くブルーオーシャンとして期待できる。合わせて、YouTubeはAIが楽曲やアーティストの解説をしながら音楽ビデオを紹介していく新機能をアメリカで実験中だ。音楽プロモーションではTikTokに押され気味のYouTubeだが、ショートの充実の他に、長尺の方の強化も着々と進めている」

Netflix・Amazon・Apple、ワーナー・ブラザース取得に意欲 報道

【榎本編集長】

「有料動画配信で競い合うNetflix、Amazon、Appleがワーナーの映像コンテンツ資産の買収競争を繰り広げているようだ。ワーナーの映像コンテンツ資産を持つワーナー・ブラザース・ディスカバリー社(WBD。ワーナーミュージックとは現在無関係)は近年、株価の低迷を受け、分社化を検討中と報道が出ていた。この内、映像コンテンツ資産を持つストリーミング&スタジオ事業の分社化がおそらく買収競争に火を付けたのではないか。ご存知のように有料動画配信は自社製のオリジナルコンテンツが競争の鍵になっており、これはNetflix創業者リード・ヘイスティングが過去のケーブルテレビで起きたコンテンツ競争から学んだことだった。ヘイスティングの戦略は大当たりした一方で、世界最大の映画専門チャンネルHBOが、ネット時代もHBO+(日本ではU-NEXTと独占提携)となって依然として強さを発揮しており、それはHBO+にワーナーの強力な映像資産があったからだった。これが分社化で獲得のチャンスがあるとなると話が変わってくる。オリジナルコンテンツの自社製作で苦戦する競合のApple TV+がコンテンツ資産の買収に動けばNetflixやAmazonも対応しなければならなくなる。既にAppleのクックCEOがワーナーブラザーズの買収を検討していたことは報道されていた。音楽配信ではレーベルの獲得競争は起きなかったが、Spotifyが高価格プランを仕掛けるにあたりオリジナルコンテンツも志向しており、近隣産業で起きたことがどのように影響していくか今後、注視しておいた方がよさそうだ。常識というのはいきなり変わるからだ」

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著作紹介

音楽が未来を連れてくる 時代を創った音楽ビジネス百年の革新者たち

DU BOOKS 2021/2/12発売

エンタメの“新常識"はすべて音楽から始まった。エジソンの蓄音機から、ラジオ放送、ウォークマン、CD、ナップスター、iPod、着うた、スポティファイ、“ポスト・サブスク"の未来まで。史上三度の大不況を技術と創造力で打破した音楽産業の歴史に明日へのヒントを学ぶ、大興奮の音楽大河ロマン。
「はじめての著書だったらしいんですが、一級のストーリーテラー。もう、ばつぐんに文章がうまいんです。」(「新潮」編集長 矢野優さん)
[ほぼ日刊イトイ新聞] 特集 編集とは何か。10

「13年間で最も「本棚の定位置に置き続けたいと思った」一冊」
書評サイト「HONZ」「この13年間における最高の一冊」峰尾健一さん)

「〈危機〉を〈好機〉に変えた賢者の歴史に音楽の明日を探る〜『音楽が未来を連れてくる』書評」
柴那典さん)

THE NEXT BIG THING スティーブ・ジョブズと日本の環太平洋創作戦記

DU BOOKS 2022/7/30発売

没後10年に贈る“新ジョブズ伝” 「日経トップリーダー」〈社長のための新刊本〉で紹介!

「告白しよう。この小説を書き始めるまで、筆者はスティーブ・ジョブズという人物をまったく誤解していた。エキセントリックな天才で、たった一人で世界を変えた史上最強のワンマン経営者だと考えていた。
 人間離れした情熱で偉大な仕事を成し遂げたが、天才にありがちな人格的破綻が私生活を蝕んでいたと思い込んでいた。公式伝記には大きな感銘を受けたが、日本とは別天地で生まれた、我々凡人とはほとんど共通点のない人物だとどこかで感じていた。
 今ではそう思っていない。そして本書は、この世界にささやかでも何か価値あるものを残して世を去りたいと願うすべての人たちのために書いたと思っている。(中略)
 本書はAppleをアメリカの象徴、Sonyを日本の象徴として扱っている。モノづくりを巡って高め合ってきた日本とアメリカの歴史、企業のみならず国家全体が陥るイノヴェーションのジレンマ、その克服方法から日本復活のよすがを見出すべく、この小説を書き進めてきた。
 しかし本書のテーマを一点に集約するのなら、復活になるだろう。一度、破れた者はどうすれば復活できるのか。それは企業や国家にも当てはまるし、この人生において何かクリエイティヴな価値を世界に残して去りたいと願う人すべてに当てはまるかもしれない。
 人は志を持つからこそ挫折する。だが、そこから復活した者のみが、かけがえのない魂の充実を得ると、スティーブ・ジョブズの人生は今もわたしたちに語りかけている。」
(まえがきより抜粋)
私のパパはスティーブ・ジョブズ~『THE NEXT BIG THING スティーブ・ジョブズと日本の環太平洋創作戦記』より、「とある父娘の罪と許しの物語~リサ」をためし読み公開

榎本幹朗(えのもと・みきろう)

榎本幹朗(えのもと・みきろう)

1974年東京生。Musicman編集長・作家・音楽産業を専門とするコンサルタント。上智大学に在学中から仕事を始め、草創期のライヴ・ストリーミング番組のディレクターとなる。ぴあに転職後、音楽配信の専門家として独立。2017年まで京都精華大学講師。寄稿先はWIRED、文藝春秋、週刊ダイヤモンド、プレジデントなど。朝日新聞、ブルームバーグに取材協力。NHK、テレビ朝日、日本テレビにゲスト出演。著書に「音楽が未来を連れてくる」「THE NEXT BIG THING スティーブ・ジョブズと日本の環太平洋創作戦記」(DU BOOKS)。『新潮』で連載した「AIが音楽を変える日」はMusicmanでも掲載中。