三大レコード会社とSpotify、海賊版サイト「Anna’s Archive」に3億2,200万ドルの欠席判決求める
【榎本編集長】
三大メジャーとSpotifyが3億2,220万ドル(約515億円)の損害賠償を求めた。それでも原告側が「極めて控えめ」と表現するのは、標的がSpotifyだからだ。NapsterなどP2Pが音楽産業を壊滅させた2000年代、Spotifyは「合法的に手軽に聴ける環境」を提供することで海賊版の需要を実質的に消滅させた救世主として登場した。その「解決策」から書籍の海賊版で知られるAnna's Archiveが音楽ファイル8,600万件をスクレイピングし、AIの学習データとしての二次利用も視野に入る形で再配布した——歴史が一周した感がある。トレントで一度流通したファイルは技術的に回収不能だ。リンクを削除しても、データは世界中のサーバーに分散したまま残り続ける。それが「控えめ」の意味だ。グーグルへのインディーズ連合の提訴と合わせると、音楽データの「流出→AI学習への転用」というリスクの連鎖が見え始めている。音楽業界が直面するデジタルの脅威は、多層化している。
2026年4月8日 19:20