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編集長ピックアップ

Suno製AIアーティストのザニア・モネ、ビルボードのラジオチャートに初登場

【榎本編集長】

「Sunoで曲を生成、Canvaで姿を生成したAIアーティスト、ザニア・モネが米ビルボードのR&Bエア・プレイチャートで30位に入った。「中の人」は推定32歳女性のテリシャ・ジョーンズで、彼女の本によると楽器もIT関係も素人。近所の教会のゴスペル歌唱団に属していて、歌手になる夢をもっていたがシングルマザーとなりアルバイト生活で挫折。そしてSunoに出会い、TikTokやInstagramに投稿したところ、彼女を応援するコメントとシェアがあふれ、100万再生、1000万再生を連発。このストーリー性に目を着けたのがワーナー、ユニバーサルミュージック、ヴァージン(UMGとは別途オファー)、ハリウッド・レコードで、契約額250万ドル(約3億8500万円)のハリウッドを彼女は選んだ。ザニア・モネはSpotifyで最も再生されたのは現在665万再生で、数字自体はそこまでではないが伸びている。夏に話題となったThe Velved Sundownは「実はAIでした騙されたおまえら馬鹿」という態度が嫌気され月間200万人を超えていたSpotifyのリスナー数は20万人台に激減。別記事で書いた(1)背後のAIプロンプターの人間性が伝わっていて、(2)AI生成曲がその人間性と強く結びついていることが「AIに騙されたくない、共感したくない」音楽ファンへの突破口となるが、ザニア・モネはこの条件をクリアしているからこそ争奪戦が起きた」

Spotify、ディスカバリーモードのペイオラ疑惑で集団訴訟に直面

【榎本編集長】

「Spotifyが賄賂(ペイオラという)をもらってディスカバリーモードを操作していたという集団訴訟がアメリカであった。Spotify側は「全くのデタラメ」と反論。Spotifyにはバナーや音声広告が用意されており、もちろんそこはペイオラ(賄賂)には相当しない。ディスカバリーモードはアルゴリズムで自動的に曲をかけていく機能で、原告はSpotifyがこのアルゴリズムを賄賂でいじったと訴えている。常識的には上場企業であるSpotifyが違法なペイオラで稼ぐことは考えにくい。メインのサブスク売上と比べてわずかな金額にしかならず、その程度のために法を犯すのはリスクが大きすぎるからだ。ペイオラというのはラジオDJがレーベルなどからお金をとって音楽をおすすめすることで、「紹介トークをして曲をかける」という今では常識となったラジオDJのフォーマットを発明したアラン・フリードが「レーベルの宣伝マンから金銭を受け取っている」という批判を受け、これを禁止する法律がアメリカで出来た。その結果、宣伝費をもらって楽曲をかける場合はリスナーにちゃんとそれが「宣伝だ」と伝わるようにしなければいけなくなっている(Spotifyならバナーや音声広告)。どのような根拠を見つけて訴えているのか、今後を見守りたい」