MTV、約40年続いた音楽専門チャンネル終了 英国など
米国外での放送開始から約40年を経て、英国などで複数のMTV音楽専門チャンネルが閉鎖された。親会社パラマウント・スカイダンスの合併に向けた、グローバル事業全体を対象とした5億ドル(約783億円)のコスト削減策の一環。米エンターテインメント業界誌バラエティー(Variety)などが伝えた。
英国では、MTVミュージック、MTV 80s、MTV 90s、クラブMTV、MTVライブが2025年12月31日をもって終了。オーストラリア、ポーランド、フランス、ブラジルの音楽専門チャンネルも影響を受ける。
MTVの主力チャンネルは、英国をはじめとする地域で引き続き放送される見込みだが、これらチャンネルでは主にリアリティー番組が放送される。英国ではMTV HDが視聴できるが、音楽ビデオは放送されない。報道によれば、前述のチャンネルの米国版は影響を受けないという。このほかコスト削減策として、複数のMTV授賞式の中止も発表されている。
MTVは音楽ビデオ専門チャンネルとして1981年に米国で放送を開始し、1987年に欧州(英国含む)へ拡大。10年後には英国で専用チャンネルを開設した。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
「イギリスでMTVの音楽専門チャンネルが閉鎖。音楽ビデオを24時間流す創業当時のスタイルを保っていたMTVミュージック、MTV 80'sなどが閉鎖対象になる。なおMTVのメインチャンネルはまだ人気があるので継続。既にEUではこの施策が実行済みだ。メインチャンネルはリアリティ番組を中心に若年層向けバラエティ番組が主で、音楽番組は著名アーティストのアコースティック演奏ライブ(Unplugged)や大規模アワードの中継といった特番に限られる。リアリティ番組はMTVが世界的ブームのパイオニアで、日本発でNetflixでも人気を獲ったテラスハウスは1992年のMTV 「The Real World」の復活と評価されている。MTVのオーナー、パラマウントはワーナーを敵対的買収し、Netflixに対抗するプラットフォームを立ち上げると予想されている。その一環としてコスト削減を進めつつ、若年層向けのバラエティ番組や世界的な音楽アワードはIPとして保存し、今後活用していく意図を感じる。日本のMTVはパラマウントがコスト削減の一環でアムドックス社にライセンス・運営委託をしているが、Japanに若年層向けバラエティ番組を制作させる意志は感じない。以上の流れを鑑みると、IP重視のパラマウントが日本のVMA(ビデオミュージックアワード)を直接運営に切り替える可能性も否定できない」ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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