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YouTube、米ビルボード・チャートへのデータ提供停止を発表 有料ストリーミングの比重引き上げで

ビジネス 海外

YouTubeは12月18日、先に米ビルボードがランキング算出方法を変更したことを受け、自社のデータ提供を停止する方針を明らかにした。

変更後は、広告付き無料ストリーミングよりも、有料のオンデマンドストリーミングの比重が高くなるため、YouTubeは「現代のファンの音楽との関わり方を反映していない」として、両者を差別すべきではないと主張し、ビルボードに再変更を求めている。

これについてDigital Music News(DMN)は、ビルボードのランキング算出方法にはアルバム換算方法など無謀なところはあるものの、「より熱心な有料ファンとその購入行為は、広告収入型無料サービスよりも音楽業界にとってはるかに価値があり、チャートはそれを反映すべき」という論理が働いていると指摘。YouTubeの巨大な無料ユーザー層は、アーティストにはるかに高い報酬を支払うサブスクリプションエコシステム全体を一貫して損なってきたとして、むしろ自社の手法を改めるべきだろうとの見解を示した。

(文:坂本 泉)

榎本編集長

YouTubeが米ビルボード・チャートへのデータ提供を来年1月から停止。ビルボードは最も権威のある音楽チャートで日本でもオリコンと並んで認知されている。事の経緯はビルボードが無料で聴かれた再生数より、有料で聴かれた再生数に比重を置いた統計に変更。これにYouTubeが「現代のファンの音楽との関わり方を反映していない」と抗議する意味でデータ提供停止の措置を取ったようだ。ビルボードは元々、レコード売上に加えて無料視聴の元祖であるラジオのオンエア数をチャートに取り入れた会社。世界でCDがほとんどなくなった現状を踏まえ、改めて有料サブスクで聴く価値を再評価したと思われる。この駆け引きがどうなるのか、今後の動向に注目したい

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。

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