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YouTube、音楽業界への年間支払額が80億ドル突破

ビジネス 海外

YouTubeの音楽部門のグローバル責任者であるリオ・コーエン氏は10月22日、2024年7月〜2025年6月の12カ月間にYouTubeが音楽業界に支払った額が80億ドル以上となったと明かした。コーエン氏は「広告とサブスクリプションという2つのエンジンが全開で稼働している証拠だ」とコメントしている。

年間支払額は3年前(2021年7月〜2022年6月の60億ドル)から3分の1伸びている。

Music Allyは概算として、仮に音楽業界への支払額が4年目(現在)の80億ドルに対し、1年目(4年前)が60億ドルで成長率が一定だったとすると、2年目は約66億ドル、3年目は約73億ドルになると推測。今年9月にニール・モーハンCEOが「クリエイター・アーティスト・メディア企業」への総支払額が過去4年間で1,000億ドルに達したと発表していたことから「音楽業界が4年間のYouTubeの総支払額の28%弱を占めることを示唆している」と分析した。また、4年間の成長率はSpotify(42.9%)がYouTube(33.3%)を上回ると算出している。

(文:坂本 泉)

榎本編集長

「YouTubeが1年で音楽業界に支払った金額が80億ドルを超えた(約1200億円 YouTube)。ここ四年で、ざっくり言って年10%弱の成長率となり、これは世界の音楽ソフト売上(マスター音源 IFPI)の成長率4.8%、音楽出版売上(作詞作曲)の成長率7.6%よりも高い。発表したリオ・コーエン氏は元々レーベル側の人。90年代にビースティーボーイズ、ジェイ・Zなどを当て、デフ・ジャム・レコードを世界有数のヒップホップ/R&Bレーベルに育て、2004年の音楽配信の隆盛期にワーナーミュージックのCEOに就任し、スティーブ・ジョブスとiTunesを推進。2006年に誕生して1年のYouTubeとメジャーレーベル初のライセンス契約を結び、Spotifyの立ち上げもレーベル側からサポートした。2010年代半ばは、YouTubeのバリューギャップ問題の主な批判者となったが2023年、YouTube音楽事業部のヘッドとなって自ら改革に乗り出し、YouTubeは音楽サブスク、広告両面で成長を続けている。2023年に音楽業界でも生成AIブームが始まると、音楽産業トップであるユニバーサルミュージックのグレンジCEOとAI関連の協業をYouTubeで進めてきた。音楽業界ではデジタル時代の象徴的な人物のひとりだ」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。

@musicman_nusicman