Spotify株、アナリストで評価分かれる エルステは格下げ・ドイツ銀は「買い」推奨
ダニエル・エク氏がCEO職の引き継ぎ計画を表明した9月30日から12月4日までに、Spotifyの株価は約23%下落。米金融大手ゴールドマン・サックスは10月に同株の格付けを引き下げた。12月現在、各社アナリストの見方は分かれている。Digital Music News(DMN)が伝えた。
オーストリアのエルステ・グループ・バンクは12月5日、Spotifyの格付けを「買い」から「中立」に引き下げ、米国全体の消費者信頼感の弱まりが2026年の同社の収益成長に悪影響を及ぼす可能性があると指摘。株価収益率(PER)に基づくと、Spotifyの企業評価額が同業他社と比較して割高に見えるとの見方も示した。
一方、ドイツ銀行は12月1日、2026年に見込まれるサブスクリプション価格引き上げによる収益・利益の堅調な成長可能性を理由に「買い」評価と775ドルの目標株価を維持。同行は月額1ドル(8%)という「標準的な」価格引き上げがSpotifyの収益を予測値から約2%押し上げると分析した。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
「株価暴落気味のSpotifyだがゴールドマン・サックスも格付けを下げた。一方、ドイツ銀行は今年から黒字化したことや、サブスク値上の効果に期待して「買い」で775ドル目標を維持。入稿時の株価は563ドル。根本的には先進国での音楽サブスクの普及が終わったこと、新興国への進出が進むが客単価が低いことがある。先進国対策としては値上げの他に高価格帯プラン(Music Pro)の導入。TikTokやYouTubeに慣れた先進国の若年層や新興国相手には、YouTubeに似た再生環境の導入(無料でもスマホで曲単位の再生、有料なら広告無しでロスレス)で対応している。」ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
ポッドキャスト概要:
Musicman Podcast — 業界の“今”を深掘り
「Musicman大学」は世界の音楽業界の最新トピックスを解説。講師は『音楽が未来を連れてくる』の著者、Musicman編集長・榎本幹朗。「Talk&Songs」は月間500組ものアーティストニュースを担当するKentaが選ぶ、今聴くべき楽曲と業界人必聴のバズった曲を解説。
Spotifyでポッドキャストを聴くプレイリスト概要:
記事連動セレクション — エピソードと繋がる楽曲たち
月間500のアーティスト記事から厳選した楽曲と、業界人必聴のバズ曲をプレイリストで。最新シーンの決定版!
Spotifyでプレイリストを聴く@musicman_nusicman
広告・取材掲載