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クリスマスソング、かつてないほど物悲しく Chartmetricがストリーミングデータ分析

ビジネス 海外

SpotifyやApple Musicで、憂鬱な(クリスマス)ホリデー気分に浸るプレイリストが急増中。フィービー・ブリジャーズ、サブリナ・カーペンター、エド・シーランといったポップスターたちが、悲しげなクリスマスソングを引っ提げてこの流れをけん引している。音楽データ分析ツールを手がけるChartmetricが、独自にデータ分析した。

Spotifyの90曲入りプレイリスト「クリスマス・ヒッツ」(フォロワー720万人)は「祝祭的」あるいは「陽気」が根底にある明るい雰囲気を共有する定番の名曲を多数収録。ただ、追加された楽曲を見ると、2022年には「憂鬱を示すタグが付いている楽曲」がゼロ%だったのに対し、2023年には27%、2024年には13%、2025年には40%を占めた。

オルタナティブ系クリスマスプレイリストの人気も高まっており、Spotifyの「フォーク調クリスマス」は、フォロワー数が2019年の4,252人から現在12万7,700人へと急増。「哀愁のクリスマス」「悲しいクリスマス」も同様に伸びている。Apple Musicが最近更新した「残念なホリデー」の収録100曲のうち46曲は2020年代の楽曲だ。

専門家は、陰鬱なホリデー音楽への需要の高まりの理由として、陽気なクリスマス文化が蔓延する中での反動や、ホリデーブルーへの対処を挙げている。

(文:坂本 泉)

榎本編集長

「今年は悲しいクリスマスソングが流行? Spotifyの名物プレイリスト、クリスマスヒッツで悲しげなタグが付いた曲は昨年の13%から40%に増加した。見ると「寂しい(lonely)」「失恋(heartbroken)」「メランコリック(melancholic,)」「悲しい(sad)」「切ない(longing)」のタグが付いた曲が確かに多い。悲しいクリスマスソングの再生数を牽引するエド・シーランは「これはクリスマスの多くの人々の現実」と自分の曲にコメントしている。分析したChartmetric社によるとこれはSpotifyに限らない傾向のようだ。日本はというとそういう印象は特に感じていないが「ホリデーブルー対策」は今後、日本の音楽配信や音楽メディアでも意識されるようになるかもしれない」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。

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