【Talk & Songs #9】 RAZE、BESTYの皆様いつもありがとう!BE:FIRST / Number_i / Etoneige / 平松賢斗/KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ驚愕のプロデューサー人たちについてトーク!

Kenta(MC): 音楽ファン必聴!注目の新人アーティストをおすすめする音楽番組「ミュージックマン」。パーソナリティのKentaです。
今回もおなじみ、ミュージックマンの母体である月間150万PVを誇る音楽業界人向けサイト「ミュージックマン」の編集長であり、最近ではBMSGのファンの方々(特にREIKOさんのファンダムRAZEの皆様)から「音楽業界の未来の予言者」と崇められております榎本幹朗さんにご参加いただきます。よろしくお願いします。
榎本: よろしくお願いします。「予言者」です(笑)。
Kenta: それこそサブスクっていうものが世の中に普及する前に、もう「これは来るよ」ってことを真っ先におっしゃっていた方ですからね。
榎本: 「何それ、サブスク?」みたいな時代があったんだけど、俺は2000年、今から25年前からストリーミングやってるんですよ。その頃に実はサブスクって、2001年末ぐらいに第1弾出てたんですね、音楽サブスクのパソコン・ソフト。まだスマホもない時代ですけど、見てて「なあ、うまくいかないだろうな」と思って消えて。そしたらiTunesが出てきて。「でもなあ、これもMP3に勝てないだろうな」と。スマホが出てきたら、「これは変わる。スマホがあれば外でもサブスクの聞き放題になるだろうし」と。
あと当時まだYouTubeって出たばっかりの頃で、今だったら一発BANされるようなものばっかりでかなりカオスだったんですけど、「これ、いつかテレビの代わりになるわ」と。で、やっぱりスマホ出てきて、「スマホプラスYouTube最強になるぞ」って思ってたら、そうなって。
あとね、もう一個、今日の話題にするんですけどKPOPですね。これがね、2000年くらいに某音楽テレビの一部署にデモテープで来たんですよ。聞いてみてくださいって。R&Bで非常にクオリティ高かったんですけど、まだね、今のような確固としたジャンルがあるわけでもないという状況だったんだけど、「すごいレベル上がっているな」と。「これに関してはもう日本のクオリティに追いついてるなあ」と思って。
そこから2003年くらいから2004年頃に転職してぴあに入ったあたりで、BoAちゃんを猛プッシュでしたね。
Kenta: BoAファンは全国にいますもんね。
榎本:今だとね。でもまだその頃はそんな感じではなくて。彼女が実際にKPOPの海外進出を切り開いた人じゃないですか。
Kenta: 確かにそうですよね。
榎本: 周り全然ピンとこなくて、「お前、この子が好みなの?」みたいな。「可愛いけど、この子は好みなんだ。超推してるけど」みたいな。「そういうことじゃなくて」って。「かれから韓国の音楽は日本で売れますから」って。「この子ぜったい来ますから」みたいな感じで特集を組ませていただいた。
その後、KPOP流のボーイズグループやガールズグループの形が出てきて、「これが今度、逆輸入されてくるぞ」と思って見てたら出てきた。
特にですね、BMSGの日高さんたちがやったことで、真似とかじゃなかったんですよね。もう圧倒的なオンリーワンの熱量というか。そういうのが出てきて、「これすごいことになるな」と思ってたら、想像を三段ぶち抜かれるぐらいすごかったっていう、そういう感じでしたね。
Kenta: 今日はもうKPOPのアーティストさんすごく並べていただいているんですが、非常に楽しみにしておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
榎本: よろしくお願いします。
Kenta: 今回も話題の音楽情報満載でお届けしていきます。それでは、ミュージックマンと楽天ミュージックのコラボ企画「ミュージックマンプレイリストトーク&ソングス第9回」スタートです!
Kentaのアーティストピックアップ
Kenta: まず今回僕がピックアップしたアーティストなんですけども、BE:FIRSTさん、Number_iさん、平松健人さん、エトナージュさんの4組でございます。
BE:FIRST「Secret Garden」
Kenta: では、BE:FIRSTさんから、「Secret Garden」という楽曲をリリースされましてですね。これがエロいんですよ。
榎本: うん。これ、音楽に漂う感じがありますよね。音楽ビデオがエロいっていう感じでもない。別にエロい歌詞ってわけじゃないんだけど。
Kenta: 確かにそうですね。
榎本: これこそ芸術って感じですね。
Kenta: そうですよね。最近の彼らのパワフルで元気な楽曲っていうところから180度、ちょっと方向を変えてきたなという感じでですね。この「Secret Garden」、最初に紹介させていただいたTikTokは1万再生ほど皆さん回していただきまして、本当にどうもありがとうございます。BESTYの皆様ですね、本当にいつもありがとうございます。
今までの作品と比較にならないくらいのアダルトな雰囲気の楽曲で、歌詞も「秘密の楽園で過ごさないか」っていう、なんというかね、特定の恋愛感情を抱いている人それぞれ聴く人が連想するんじゃないかなという歌詞構成。僕だけかもしれないんですけども、そういう風に感じたという。
この曲がですね、僕に刺さっている理由として、やはり海外の匂いがするなと思ったんです。
榎本: KPOPとかではよくやってる「ソングライティングキャンプ」ってやつだよね。
Kenta: そういう風な言い方があるんですか?
榎本: ソングライティングキャンプっていうのをやるんですよ。特にKPOPが強いのかな。アメリカでも普及してるやり方なんだけど、ある曲を、日本だったらね、アーティストさんや作曲家さんが一人で部屋で作る、自分の部屋でみたいな。そうじゃなくて、こういう風にキャンプ張ってみんなで集まって、「今回こういうテーマで曲作っていきたいです」っていうのを、アイデアとか出し合ってデモ曲をね、ババーっと1週間で作っていく。
Kenta: あー、いいですね。
榎本: そこまで詳しくないんだけど、「LAでコライト」っていうとそうかなって。
Kenta: 相当な規模感を想像させますね。でもそれだけ出し合ったかは分からないんですけど、どれぐらいの規模感というか、ちょっとそこまで明かされていないんですが、作品全体にやっぱりさっきも言ったように空気感として必ず出てきてしまうんだなっていうよく感じる楽曲ですよね。
なんか榎本さんもさっきおっしゃられたように分かる。って分かんない人もいるかもしれないですけど、我々分かっちゃうんですよ。これはね、能力です。
Kenta: 彼らとは関係ないんですけど、例えばALIというバンドがいましてですね。「LOST IN PARADISE」という楽曲、最初に聴いた時もこの感じを感じた。コライトしてるわけではないと思うんですが。
あの「何それ?」と思う方に説明するとですね、『呪術廻戦』の第1期のエンディングテーマを担当していた。オープニングテーマは、ちなみにEveさん「廻廻奇譚」という楽曲。あれも素晴らしいんですが、あれも並べておこうかなって思っちゃうぐらい。
で、大谷翔平選手がですね入場ソングとしても選出していた曲です。この「LOST IN PARADISE」、やっぱりねメンバーの国籍まではちょっとわからないです。帰化して日本人になった人もいるんですけども、メンバーのやっぱり多国籍のハーフの人たちで構成されているバンドで、独特のね「何かあるぞ」という。
この空気感、昔ほど今はレコーディングの機材が良くなってきたりして、その場所の空気感というのはなかなか収録しにくくはなっていると思うんですけど、何か曲から伝わっている雰囲気。そういうものが相まって、今回この素晴らしい作品ができたんじゃないかな。
榎本: ちゃんと出ているね。それが素晴らしいですね。ちゃんと狙って作られたと思うんですけど、わざわざその雰囲気を作るために、LAまで行ってやったっていうね。ちゃんとしっかり作品に出てるって素晴らしいですよね。
Kenta: で、ちょっと最近のニュースとしてはクリスマスですね。ファミリーマートさんのアンバサダーになったということでですね、クリスマスケーキの予約が始まっておりまして、BE:FIRSTが監修してワイワイやったみたいなんで、ぜひぜひクリスマスにですね、BE:FIRSTさんと一緒に過ごしてみてはいかがでしょうかということで、こんな感じで「Secret Garden」の内容を聞いてみていただけたらなと思っております。
Number_i「未確認領域」
Kenta: 次ですね、Number_iさんの「未確認領域」という楽曲でございます。これまたとんでもない再生回数を叩き出しておりまして、我々のTikTokおよびXもぶっ壊してくれました。昨日、一昨日ぐらいですかね、YouTubeの再生回数確認したところ2000万再生を突破しておりまして、うちのTikTokも1万6千再生。
榎本: いやー、すごいですね。当社比めちゃめちゃすごいです。
Kenta: 当社比ではすごいんですよ、1万6千。本当、これを10万に平均持っていきたいと思っておりますので、ぜひ皆さんよろしくお願いいたします。
で、MVではですね、これまた180度雰囲気を変えてきたなと。
榎本: うん。
Kenta: 怖いお兄さんの印象だったのが、すごいあのピンクでなんていうんですか、パステルカラーを使ってですね。
榎本: あのギャップいいね。音楽の感じはちょっと悪い感じが残ってるんだけど、絵面は超ポップっていうかね、爽やかに可愛いみたいな感じが。なんでああいう風にしてきたのかっていうのは想像がつかないのですけど、もしかするとプロセスがちゃんとあったのかも。
Kenta: あのギャップにやられてる人は非常に多い。コメント欄を見てると、やはりそのギャップがとかっていう風に書いてる人が多いですね。
監督は鴨下大輝さんという方が務めたそうなんですが、「冗談抜きで人生で一番楽しくて幸せ」とコメントしていて、Number_iとのコラボレーションを非常に高く評価しているということでですね、周りの人も巻き込んで、どんどんどんどんこう。
私ね、これを「観測不能領域」と呼んでるんですよ。
榎本: どういうことですか?
Kenta: 観測不能領域って、彼らがですね、未確認領域に突入していってですね、僕たちは彼らのことを観測できないぐらい位置づけてしまっているというか、もう手が届かないところに突っ切って、望遠鏡でも見えないよみたいなところに行っちゃうんじゃないかなっていう風に、ちょっとこうまとめてみたんですけど、うまく伝わってないかもしれませんが、それぐらいちょっとこう突き抜けた存在になっていくんじゃないかなっていう風に思ってます。
榎本: やっぱねそういうさっきのさ、LAの雰囲気はちゃんとさBE:FIRSTも出たけど、Number_iのね、その「人生で一番楽しかった」って言える雰囲気って、ちゃんと出るんだよね、作品にね。
Kenta: それが伝わった形ですよね。歌詞に出てくる「太陽のように未完成」、これ初っ端の「太陽のように未完成」って出てくるんです。あとは「beyond the sky」空をぶっ越えていくぜみたいなことですけども、これも結局自分たち最高って言ったわけでもなく、そのまだまだ未完成であると。自分たちは。だけど、みんなでもっと見たことない景色のところに行ってみようよっていうような、自分たち主体じゃなくて、結局その周りのみんなで楽しく盛り上げて見たことないとこ行ってみようよっていうようなメッセージがこれには込められていると。
なので、こうやってMVをポップに見やすくするっていうのは老若男女に対してのアプローチでもあるのかなって思いましたので、多くの方に聞いていただいて、Number_iを応援しよう、世界に出していこうっていう、そういう風に捉えればいいんじゃないかなっていう風に思っておりますので、ぜひ聞いてみていただければなと思ってます。
Etoneige「エトネージュ」
Kenta: 次はエトネージュで「エトネージュ」という楽曲なんですけども。
榎本さんご存知です?
榎本:初めて聞いた。王道K-POPアイドルソングっていうか。最近にもなかったよね、これ。なんか最近ね、逆に新鮮っていうかね、コントラストが出てるよね。
Kenta: 彼ら若いんですよ。平均年齢16、17歳とかなんですよね。(10代メンバーも在籍していますが20代前半のメンバー構成です)プレスリリースを読むまで、彼らのことは僕も知らなかったんですが、記事を作っていく中で、リーダーの双葉小太郎さんっていう方が大手町三井ホールでのファーストライブをプロデュースしたと。
まだ10代のグループ(20代前半です)で、そんなグループを引っ張る、引っ張っていくプレッシャーを背負って一つの興行を成功させるってことは、これかなりすごいなと思って。素直に「すげーじゃん」って言いたかった。それで、TikTokではピックアップしたんですよ。
あと写真とか見てるとね、もうういういしくてかわいい。親心じゃないんですけど、そんな感じでピックアップしたらですね、意外と反応してくださったんですよ。
榎本: 事務所とかレーベルってどこなんですか?
Kenta: WAIWAI incって書いてますね。この自分たちで頑張ってる感がすごいっていうか、それを素直に応援したいなと思った次第です。
榎本: タワーレコードにも渋谷に行って、イベントやってるみたい。本当に自分たちで頑張ってるんだね。
Kenta: 半端ない頑張りですよね。こんなに。これも早々にですね、双葉小太郎さんがTikTokで再投稿してくださったんですよ。彼自身フォロワーが18万人いてインフルエンサーなんですよね。でそれを見たファンの人たちが「あ、こたが再投稿してる」みたいな感じで、うちのところに来てくださって、ミュージックマンを知っていただいたきっかけになったなっていう、ちょっとこう面白い現象が起きたなっていう。
お互いウィンウィンになって、なんかいろいろ露出が増えればいいなって思った瞬間でもありまして、またプレスリリース新たな動きがあれば、我々がピックアップしてプッシュさせていただければなと思っておりますので。本当に可愛いですよ。アゲになると思いますからね、こういうのも懐かしいなーなんて聞いていただけたらなと思っておりますので、ぜひぜひよろしくお願いします。
平松賢人「メラメラ」
Kenta: では次に平松賢人さんで「メラメラ」という楽曲ですね。
榎本: なんかシュワーって感じで面白いですよ。
Kenta: これはあの単純におもろいと思いました。「摩訶不思議」っていう感じで、「何者?」ってまず思ったんですよ。そうするとですね、BOYS AND MENというグループのメンバーの一人ででして、今回はソロプロジェクトだそうです。
そしてBOYS AND MENっていうのは通称ボイメンと呼ばれておりましてですね、結成2010年ということで、キャリア長いんですよ。「YAMATO☆Dancing」っていう曲がオリコンデイリーランキング1位を獲得して、同年の日本レコード大賞、第58回ですね、新人賞を受賞しております。
知らんかったんですよ、これ実は。でも結構キャリアが長いねんなーっていうことだけは。で、ここでソロプロなんやみたいな、そんな感じで平松さんのことを認知したと。
そしてさっきのエトネージュさんと同様で潜在的なファンがいるっていうのがちょっとこう匂ったっていうか、結果やっぱりいたっていう。この平松さん推しっていう方が結構再生回していただいたんです。4000再生プラス270いいね。なんでこのポッと出てきたソロの方にしてはすごいなって思って。
こんなに?っていう、なんで、わからんもんやなっていう風に思ったんですけど、それはTikTokのことなんですけど、楽曲は80年代音楽からのインスパイアですね、それを受けていて。印象的な部分は、「メラメラメラメラ」っていうパートがあるんですけど、最初はスーッと聞いとったんですけど、「あれ?ゲラッゲラッゲラッ」、聞いたことあるなって。
これ分かる世代の方しかいないと思うんですけどね、中森明菜さんです。「情熱」ですよ、「DESIRE」のオマージュです。これはもう僕言い切ります、間違いない。
榎本: 最近中森明菜さん精力的にまた活動されてますので、共演が実現したら面白いんじゃないですか。あるかないか分かんないけど絶対、尊敬はしてると思いますけどね。
Kenta: 本当に本当に。あの時代の空気感っていうのはやはり作るのは難しいと。でもそれをやる必要はなく、それが分かる層にとってたまらない一種の感じ、エンタメになるんじゃないかなというふうに思いました。
現代の人からすると新しいとかっていう表現もあるけど、どうなんだろうな、新しいと思うのかな、面白いと思ってみるんじゃないかな、どっちかっていうと。
榎本: 昭和歌謡ポップスのレコード集めてる若い子たち、いるからね。
Kenta: 本当にそうですよね。本当、テレビでも特集されたりする若い子もいるし、なんかそういう子たちからね、楽曲使って何かハマるところにハマればこれなんかバズりそうだなと思ったんですよ、いろんな意味で。なのでこれわかんないですよ、今からバズるかもしれない。
榎本: 本当にそうだね。
Kenta: 期待してみましょう。これ本当に期待してます。今後続報あると思いますので、我々もニュース出していけたらなと思っております。
今回私からは以上となりますので、次は榎本編集長。
榎本編集長の業界予測コーナー
榎本: 「予言者」といわれますけど、実は予言っていうもんじゃないですけど、コツっていうのはないことはなくてですね。「予想してなかったことが起こったら、そこに注目」みたいな。「何が起こってんの、これ?」みたいなね。つまり、自分の予想が外れたことが起こってる、全く想像してなかったことが起こってるっていう時に、「これはなんか裏で大きな流れが始まってんのかな」みたいなね。
俺が今回取り上げたのが、Netflixの「K-POP GIRLS DEMON HUNTERS」っていうオリジナルアニメがですね、6月ぐらいから始まってじわじわと上がってきて。内容面白いんですよ、見たけどね。
Kenta: 見たんですか?
榎本: 100分ぐらいかな、2時間いかないぐらい、コンパクトに撮ってて素晴らしいんですね。何が素晴らしいかっていうとですね、プロデュースが素晴らしい。ロードマップが素晴らしい。「この布陣って行ったら、これはこうなるでしょう」みたいな脚本のコンセプトもすごくて。
結果として、Netflixで最も視聴されたナンバーワンの映画になってますね。YouTubeでもすごいですよ、再生回数。
世界中の人がNetflixでアニメ見てるんですけど、本当に、もう大人も見るようになったんで、日本と同じになってきてるんだよね、世界が。昔アニメって子供のものとかね、オタクのものって言われてたけど、日本で変わったじゃないですか。同じことがNetflix経由で世界でも起こってて。
ただね、Netflixがオリジナルで作ったアニメって、今までちゃんと当たったことなかったんですよ。今回はもう相当気合い入れてて。最初にコンセプトを見ただけで「これはいける」と。そう思ったのが、まずK-POPのアイドルのグループがあって、その女の子たちの実は秘密の職業がある。それはデーモンハンターと。表ではアイドルなんですけど、裏ではデーモンハンター。
セーラームーンみたいなノリっていうかね。で、敵がですね、イケメンのアイドルグループなんですね。
Kenta: コンセプトが面白い。
榎本: 一目惚れしちゃうんですね、その敵の方に。その悪魔に過去があるんですね、苦しい過去が。そういうダークサイドについてしまった悔いというか罪というかですね。
逆にその主人公の女の子も、実はみんなに隠している、仲間に隠してですね、恥ずかしいというか誰にも知られたくないことがあって、そこが敵役のイケメンのアイドルと重なり合うんですね。
戦いを通じて、2人とも成長していくんですね。ちょっとその後のことはネタバレになるんですけど、そういう感じでね、半分くらいからすっげー面白くなるんで、最初の半分くらいで「つまんない」と思わないで続きを見てもらいたいんだけど。
でね、この最初のK-POP GIRLSで使われる「Golden」っていう曲があるんですけど、これがアメリカのビルボードHot100、つまりチャートの頂点ですよ、ここで1位を獲得しました。
Kenta: ニュースが飛び込んできましたね、1位ですね。
榎本: アニメの架空のガールズグループが世界のトップを取ってしまって。7月ぐらいはTikTokのダンスチャレンジも流行って、それも相まってSpotifyのデイリートップ25に、ここの出てるいろんな曲、7曲全部チャートイン。もう世界を席巻してるんですよ、架空のアイドルグループが。
Kenta: これは史上初の事件ですね。
榎本: これ事件です。今までも例えば日本でもVTuberとかね、そういう架空の存在っていたと思うんですけど、どっちかというとねサブカル的な位置づけだったと思います。バーチャルアイドルっていう企画もありましたよ。これ、そういうバーチャルな存在が、リアルの世界に乗っかってナンバーワンを取ってしまうっていうのは、これはね、なにか来てるんですよ。そのバーチャルアイドルの作り方っていうのは、今回はCGとか使ってるんだけど、これからだったらもしかしたら、人間とかAIを組み合わせた新しい架空のアイドルの作り方とか分からないし、これは来たなと思って見てるんだけど。
これ、さっき言った「プロデュースがすごい」って。
Kenta: はい。
榎本: 鉄壁の布陣で、まずアニメは、ソニーピクチャーズのアニメーション部門が作ってるんです。で、まあアメリカがメインターゲットなんで、『鬼滅』とかやってる日本のソニーのアニプレックスとかじゃなくて、『スパイダーマン』とか『ピーターラビット』とか、ああいう映画のCGを作っている部門がやってます。
今日は音楽の話なんで、音楽の方をメインに話すと、音楽はユニバーサルミュージックの傘下に、リパブリックレコードっていうのがあってね、アリアナ・グランデとかテイラー・スウィフトとか、ドレイクとか入ってるフラッグシップレーベル。世界ナンバーワンのユニバーサルの中でもフラッグシップを担っている。
これ、実はですね、JYPエンターテインメント、韓国のいわゆるビッグスリーの一つですね、最近HYBEが入ってビッグフォーになってますけど、提携してTWICEのアメリカ進出を手掛けて、アメリカでK-POPの扉をまず切り開いてみせた。さっきしゃべったBoAが日本でK-POPを切り開いたみたいに、TWICEがアメリカを切り開いたんですけど、そこが担当しています。
さらに、プロデューサー陣っていうのがすごくて、まずね、映画全体のエグゼクティブプロデューサーは、ブロードウェイで成功を収めている、イアン・アイゼンドラスさんという人が担当してますね。『カム・フロム・アウェイ』っていうね、ブロードウェイでヒットしたミュージカル、9.11事件あったじゃないですか。その時に飛行機が普通に着陸できなくなったので、カナダに不時着したいろんな国の人をテーマにしたミュージカルで、何千公演もされていて、世界的ヒットで、日本円にしたら300億円以上の売り上げが出た大ヒット作になっているんですけど、Apple TVでも最近見れるらしいので、YouTubeの予告編をプレイリストの最後に置いたんですけど。
このアニメ映画、そういうミュージカル的な要素ってあるんで、こういう風に音楽をメインにした映画なので、その方が音楽のスーパーバイザーをしていて。
そして、ソングライターが、BLACKPINKとかをまとめてるテディ・パークさんですね。
Kenta: BLACKPINKってYGですよね。
榎本: ビッグスリーの一つの。SMがBoAとかやってる、HYBEがBTSやってる、JYPがTWICEやってる、そしてYGのティ・パークさんなんですよ。さっき、TWICEと提携してるリパブリックレコードがやってるって言ったでしょ?
Kenta: 言ってましたね。
榎本: そのプロデューサーはYGの共同創業者のテディ・パークがやってるんです。さらに、そこで彼が編成した作曲のチームっていうのが、BTSを作ってるソングライターを集めててですね、もう鉄壁の布陣。
Kenta: 最強じゃん、鉄壁!
榎本: さらに、ここからが本当に腕のあるプロデューサーにしかできない技なんですけど、監督と主役、ここはフレッシュに行ったんですね。
主役に選んだのが、これはソングライター、どちらかというと裏方のejayさんっていう方がいて、彼女は例えばTWICEの「Feel Special」っていう曲なんだけど、そこもさっき言ったソングライティングキャンプに参加して、歌詞の韓国語とかメロディーを整える、なんてしてる。SMエンタの元トレーニー生さんなんですよ。
つまり、アーティスト候補だった方でトレーニングをもうバッチリされてて今回、歌も歌う。それも韓国語でも歌うし、英語でも歌うし、ついでに、SMエンタは日本語も鍛えられるんで、日本語でも歌ってます。
Kenta: ありますもんね、すごいですね。
榎本: しかも、そのタレントとしてもトレーニング受けてるから、その主役も普通の声優さんじゃなくて自分がやってるっていう。
今回、BTSの曲作った人たちが参加したって言ったけど、彼女がやっぱりソングライティングで、しっかり参加している曲が、1位を取った「Golden」っていう曲なんですよ。裏方というか、若手のクリエイターさんの女の子が一躍、頂点に上がってしまったっていうね。
それとストーリー、これも若手で、マギー・カーンさんという監督さんですね。韓国系のアメリカ人で、この方が作ってるんですけど、この脚本がどうすごいかっていうと、まず、映画を作る時の脚本の定石ってあるんですけど、簡単に言うと、矛盾がある、葛藤があると。で、その葛藤がなんかいろんな人物がぶつかり合うと、変化で葛藤が克服されていくわけ。そうすると出てる登場人物が変わっていくわけ。それぞれ考えていることが変わっていくのを見せないといけない。で最後にそういうのが克服されて、悲劇になるのか、ハッピーエンドになるのか。
実はね、それをね両方合わせた方がさらに響くんですけど、これ以上言うとネタバレするんですけど、そういうセオリーをしっかりやってる。
あと、その罪、あの矛盾っていうか、葛藤を作る時って、罪悪感です、一番響くんで。で西洋的にそれやると、罪と許しになるんですね、キリスト教的な価値観だけどね。それはね、キリスチャンじゃないアジア人に関係ないかっていうと、これが近い概念っていうのが韓国でもあって、恥と自己受容ですね。恥と罪って似てるじゃないですか。恥、恥ずかしい、これは人に知られたくない、これは自分の闇。それを自己受容、自分を許していくっていうね。
こういう切り口で重ねたんですよ、アジアと西洋のをくっつけてあるんですね。で、それに対抗する悪魔っていうのを作って。
やっと楽曲の説明に入っていくんですけど、もう1曲、敵役のイケメンアイドルが歌ってる曲っていうのが2曲入って、チャートインしてるんです。1つが「Your Idol」っていう曲で、これは暗い、悪魔、ダークサイドって大事でしょ?今の時代のアイドルグループのファンダムのダークサイドを歌ってるんですね。これが皆さんに響いたらしくてですね、確か4位になったのかな、ビルボードですよ。世界の4位ですよ。架空の男性アイドルの方もチャートの上位に入っちゃったんです。
さらにイケメンのアイドルが普通に出てきて、女の子と道端でバッタリ合うっていう、ボーイ・ミーツ・ガールの基本ですけど、バッタリって時にこう普通の爽やかな感じで歌うのが「Soda Pop」って曲で、これは「あ、BTSの人が作ってんだ」ってのはよくわかります。「Butter」になんとなく似てます。
Kenta: それで(プレイリストに)入れてくださってるんですね。
榎本: そうそう。今回、BTS系はそのジェナ・アンドリュースさんって方が、これは「Butter」のソングライティングで関わった人です。あとスティーヴン・カークさん、これもBTSの「Permission to Dance」っていうね、これもビルボードで1位取りましたけど、その曲とか聞くと、確かにそのチームが入ってるっていうのが分かりますね。
あとリンドグレンさんっていう人も入ってるんですけど、彼は「ON」って曲がBTSなんですけど、グローバル200かな?で1位取った曲ですね。これ並べてあるので聴いてみてもらいたいです。
あともう一個、アイドルの女の子が実はデーモンハンターだった。そのバトル系の曲をBLACKPINKをプロデュースしているテディ・パーク。BLACKPINKってすごいかっこいいっていうか、ちょっとアグレッシブな感じが曲にあると思うんだけど。
Kenta: イメージありますね。
榎本: その感じが効いてます。BLACKPINKで当たった曲が「Ice Cream」ってありますけど、それと「How It’s Done」っていう今回の曲、これでなんとなく分かるわけですよ。キューシートと書いてて、「このシーンに欲しいイメージの曲はあの感じ。テディーさんだったら『Ice Cream』みたいなやつみ」、そういうやりとりしてるのがわかるんですね。
であとね、最後にその友情出演みたいな感じで、エンドクレジットで「Take Down」って曲あるんですけど、これはTWICEが歌っています。
Kenta: 超豪華ですね。
榎本: これに近いのは「Feel Special」っていう曲がTWICEであるんですけど、これに似てるんですね。だから、こういう感じの曲が欲しいって映画監督や音楽のスーパーバイザーと話して、そういうキューシートに書いて、ソングライティングキャンプでそういうデモを出し合って作っていくんですけど多分、その曲名は出ただろうなと思うんですね。
そんな感じでね、すごくしっかりしてるんですね。最初の「Golden」もテーマが自己肯定とか克服とかね、何かその自分を乗り越えていくとか、新しい自分になるみたいな、その一発目に流す曲がちゃんと映画のテーマにもなってるっていうね。自分を見つめて、恥とか罪みたいなのを乗り越えていくっていうテーマが、最初から入ってるっていうね。しっかりと映画監督とも話し合って、そういう部分を、最初に入れてあるんですね。
で、その後にダンスチャレンジとかね仕掛けていくわけですよ、TikTokとかで。でも大事なのは、すごい楽曲だっていう。僕いつも言ってるじゃないですか、ストーリーが大事だって。アーティストの持ってる世界観とストーリーと楽曲にもストーリー、これが大事って。ストーリーがあるから、プロモーションとか宣伝とかでの広げ方が見えてくるんだっていう。それがね、これほどしっかりしてるのもないっていうかね。
特に音楽業界の人は一回見てほしい、このストーリーを起点にね。音楽ファンの人も「こういう風に考え込まれて、こういうふうに出来上がって、そしてみんなに受け入れられていくんだな」って。
前人未到じゃないですか、架空のグループが世界ナンバーワンを取ってしまって。そういう奇跡的な快挙っていうのは、こういう布陣を組んだら、それが起こるんだと。いろんな才能をぎゅっと正しく集めてるから起こった奇跡ですね。
Kenta: 素晴らしいですね。
榎本: 素晴らしい。とにかくプロデュースが素晴らしかったというので、今回取り上げさせてもらいました。ちょっと話長くなりましたけど。以上にします。
Kenta:MUSIC AWARDS JAPANってあったじゃないですか、あれはなんか「オールジャパン」っていうのが結構軸になってたと思うんですよ。今回、その韓国の布陣、いろんなその垣根を越えたっていうところもあるんですか?
榎本: そうそうそう、垣根を越えてたよね。さっき言ったように、先ほどの話だと、TWICEはJYPでしょ、プロデューサーはBLACKPINKやってるYGのテディ・パークさんですよね。テディ・パークさんが集めたソングライターが、HYBEのソングライターで、主役はSMエンタのトレーニーだった人っていう。「オールコリア」ですよね。で、ビジネスをやってるのが、グローバル企業でNetflix、ユニバーサルミュージック、そして日本が親会社でもある、ソニーピクチャーズっていうね。
Kenta: 超グローバル。 これはもう本当これ最強だよな。これを次やったとしてっていう感じではあるんですけど。
榎本:もちろんこんだけうまくいったらね、それをフォーマット化して真似してくるところがあるんだけど、これね、一番大事なのは、さっき言った物語の核があった、しっかりあったってことと、そこの物語のセオリーがね、ヨーロッパ欧米の人にも通じるし、アジアにも通じるように、その「罪と許し」っていうのを「恥と自己受容」っていう韓国的な価値観でストーリーをまとめ上げて、それを歌にも反映させていったっていう、この部分、これが大事なんで。真似したいなと思った人はぜひ、そういう部分を大事にしてください。核が大事です。
Kenta: グローバルとは言いつつ、そういう宗教的な部分とか国同士のそういう価値観とかですよね。
榎本: 宗教的っていうと、なんていうのかな、その時点である程度人が外れちゃうわけですよ。
Kenta: そうですよね。
榎本: だけど、さっき言って、その罪悪感とか、恥ずかしいっていうか、これだけは人には言えないとか、それをどうやって乗り越えていくか。苦しいじゃないですか。いろんな人とぶつかり合ううちに、逆にもっとひどい目に遭っていくんだけど、それをお互い乗り越えていくうちに許しが訪れる、あるいは自己受容が訪れる。これって物語の基本なんですよ。
そういう形にすると、宗教とか関係なくなるし、その欧米的な価値観を持っている人も、アジア的な価値観を持っている人も通用するのがすごい。
Kenta: すごいスケールでの共感ですね。
榎本: この普遍的なテーマを今度は、K-POPのアイドルの女の子キャラ、ライバルがイケメンのK-POPグループっていう風にして、すごいキャッチーでしょ。それで表現していく。ちゃんとボーイ・ミーツ・ガールもやって、その後にすごく悲しいことも起こるし、すごく素敵なことも起こるっていうね。全てのメインキャラが変わっていくっていうね、この基本のストーリーラインが素晴らしかったですね。
これはね、一番褒めてあげたいのは、若手のね、女性の韓国系アメリカ人のマギー・カーン監督ですね。この方が一番偉かった。この方がこういうストーリーラインを組んだから、才能あるみんなが集まることができたんですね。
Kenta: いやー、これは面白い。もうパーフェクトだ。
榎本: ちょっとこの回はなんかね、文章化したいなーっていうくらいです。書き起こしたら面白いかもね。
Kenta: これ、やっちゃいます?
榎本: うん、で俺が整えるって感じで。TALK & SONGSもね、内容のある話を時々はしてるぞっていう。
Kenta: 見応えがあると思います。
Kenta: 本日は、BMSGのファンの方々から「音楽業界の未来の予言者」と崇められております榎本幹朗さんでした。どうもありがとうございました!
榎本: ありがとうございました!
第9回目となるMusicmanと楽天ユージックによるコラボレーション番組「Talk & Songs」 。
本サイトMusicmanのすべてのアーティストニュースが音楽付きになって7ヶ月が経ったが今月も、月間500超の音楽記事から編集チームが話題の楽曲を厳選してトーク+プレイリストを作成し、Vodcast化に加え記事化した。
今回はTikTokで紹介したアーティストの中でも特に反響のあったアーティストをVJ Kentaがピックアップ。
榎本編集長はNetflixで大ヒットし話題沸騰中の映画『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』のサウンドトラックからの選曲をメインに、何故これだけの大ヒットに至ったかを詳しく解説する。
TikTokでは毎日一曲を厳選してお届け中だ。さらに「Musicman 音楽ニュース共通プレイリスト」をSpotify、Apple Musicで毎日更新中。YouTubeではBillboardやプランテック(ラジオチャート)も10位まで再生リストでまとめている。
これまでチェックが大変だった最新リリースや各チャートのトレンドをまとめた超便利プレイリストになっているので是非フォローして役立ててほしい。
BE:FIRST – Secret Garden
ALI – Lost In Paradise
Number_i – 未確認領域
平松賢人 – メラメラ
中森明菜 Desire 情熱
Etoneige(エトネージュ)- Etoneige
■榎本編集長の選曲
HUNTR/X, EJAE, AUDREY NUNA, REI AMI, KPop Demon Hunters Cast – Golden
Saja Boys, Andrew Choi, Neckwav, Danny Chung, Kevin Woo, samUIL Lee, KPop Demon Hunters Cast – Your idol
Saja Boys, Doryan Ben, Thomas Bernier, Guillaume Beaujolais, Loaï Rahman, Bastien Jacquemart, KPop Demon Hunters Cast – Soda Pop
BTS – Permission to Dance
BTS – Butter
BTS – ON
HUNTR/X, EJAE, AUDREY NUNA, REI AMI, KPop Demon Hunters Cast
How It’s Done (from the Netflix film KPop Demon Hunters) – How It’s Done
BLACKPINK – Ice Cream
※動画内Etoneigeの話題中に、平均年齢の話題が出ましたが発言が間違っておりましたので訂正させていただいております。ご視聴の皆さまにはご不便をおかけして申し訳ございません。
プロフィール
榎本幹朗(えのもと・みきろう)
1974年東京生。Musicman編集長・作家・音楽産業を専門とするコンサルタント。上智大学に在学中から仕事を始め、草創期のライヴ・ストリーミング番組のディレクターとなる。ぴあに転職後、音楽配信の専門家として独立。2017年まで京都精華大学講師。寄稿先はWIRED、文藝春秋、週刊ダイヤモンド、プレジデントなど。朝日新聞、ブルームバーグに取材協力。NHK、テレビ朝日、日本テレビにゲスト出演。著書に「音楽が未来を連れてくる」「THE NEXT BIG THING スティーブ・ジョブズと日本の環太平洋創作戦記」(DU BOOKS)。『新潮』にて「AIが音楽を変える日」を連載。

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