Spotify、待望のロスレス音質の提供開始 高価格帯プランには含まれず

Spotifyは9月10日、有料会員向けに待望のロスレスオーディオの提供を開始すると発表した。導入計画を初めて公表してから4年を経て実現した格好だ。
日本、米国、英国など12市場から先行提供が始まっており、10月までに50以上の市場へと拡大される見通し。利用可能になると、アプリ上で通知が届く。
最大24-bit/44.1kHzのFLAC形式でストリーミング可能で、Apple MusicやAmazon Musicといった競合他社と同等となった。
Spotifyのロスレス音質は、年内の導入が報じられている高価格帯プラン「Music Pro」の主要機能になるとみられていたことから、将来的にMusic Proの特典に連なるかも注目が集まる。先に会員数1,500万人を突破したテンセント・ミュージック・エンタテインメント・グループ(TME)の高価格帯プラン「スーパーVIP(SVIP)」で最も人気の特典は高音質だと言われている。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「先週からSpotifyのロスレス音質がようやく始まった。日本も含め50カ国で有料会員向けに段階的に開放されるようだ。私はロスレスに出来たがやっぱり音が自然で助かる。1GB/時間の制限が付いているがFLACのCD品質なら1GBあれば充分だろう。Spotifyは基本無料があって再生あたりの売上がよくないので音楽会社からなかなかロスレスの許諾が降りなかったが、今年始まる高価格帯プラン(Music Pro)でようやく許諾が降りたのだろう。これまでの報道ではロスレスはMusic Pro向けだったので通常の有料会員も聴けるとなるとMusic Proでハイレゾという話も進行中かもしれない。「音質など時代遅れ」と言われていた頃からいち早く高音質戦略を取ったApple Musicはヘッドフォン・イヤフォンなど自社ブランドの音楽ハードウェア売上にしっかり繋いでみせたが、Spotifyは昔からその辺はうまくない。しかしハイレゾまで始まれば今後はわからなくなる。AppleはBeatsを買収してヘッドフォン市場に入ったがSpotifyはどこを選ぶか。買うのか提携するのか。ここも今後、注目だ」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
広告・取材掲載