渡辺晋賞に劇場版『鬼滅の刃』を企画プロデュースしたアニプレックス 代表取締役 岩上敦宏氏、特別賞に作編曲家 服部克久氏

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授賞式にて(左から:岩上敦宏氏、渡辺音楽文化フォーラム・渡辺美佐理事長、服部隆之氏)

渡辺音楽文化フォーラムは3月2日、渡辺プロダクション内会議室にて「第16回渡辺晋賞授賞式」を行った。授賞式は、コロナウイルス感染拡大防止対策を万全に行った上で、受賞者と関係者のみ出席のうえ執り行われた。

第16回となる今回は、アニプレックス代表取締役 岩上敦宏氏が渡辺晋賞を、作編曲家の服部克久氏が特別賞を受賞した。

岩上氏は2020年、空前の大ヒットを記録し日本中を席捲した『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』では、企画から関わり、この作品の経済効果はコロナ禍で暗澹たる世界を元気づけている。日本映画史上歴代1位の興行成績を達成した実績は、単に劇場アニメ作品の企画プロデュースという役割にとどまらず、コミックスのヒットに始まり、キャラクター、ファッションの領域にまで全ての分野に怒涛の旋風を巻き起こし、日本コンテンツを世界に広げ、今日のエンターテインメント業界で一大カルチャーを樹立された。

同氏は現在、日本アニメのトップ・プロデューサーであり、関わった作品はアニメ作品のみならず、実写、モバイルコンテンツと幅広く、異なるプラットフォームを巧みに連動させながら大きなムーブメントを形成するその手法をコンテンツや環境にあわせ進化させ続けており、深夜アニメの枠を超え社会現象となったオリジナルアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」、アニメとスマホゲームのコラボを生み出した「Fate/Grand Order」など、新しいアニメビジネスを創出しつづけている。『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を含む様々な作品で、エンターテインメント業界の人と人を繋げ、新しいビジネスを創造し文化を構築している功績と、今後のさらなる活躍を期待を込めての授賞となった。

服部氏は長きにわたり、音楽業界、エンターテインメントの発展に作編曲家、プロデューサーなど幅広い立場で大きく貢献し、ジャズとクラシックが上品にブレンドされた粋な“服部サウンド”を確立し、日本のポピュラー音楽の水準を引き上げた。

テレビの草創期から、映像と音楽の新しいコラボレーションを実現、作編曲数は延べ6万曲にのぼり、その中には人々の記憶に永遠に残るものが数多くある。活動の幅は国内外を問わず実に多岐にわたり、音楽を通して人々の心を育み、多くの人の人生をより華やぐものにしている。また、2011年より渡辺音楽文化フォーラムの役員として、長きにわたり尽力した。この様なエンターテインメント業界および同財団の功労者として、第16回渡辺晋賞特別賞を贈り、顕彰した。

式では、主催の渡辺音楽文化フォーラム・渡辺美佐理事長より、岩上敦宏氏へトロフィーと副賞100万円、服部克久氏の代理として出席した服部隆之氏が、トロフィーと副賞50万円を授与された。

岩上敦宏氏 授賞コメント

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』に至る私とアニプレックスの長年の歩みを、この様なかたちで評価していただいたことを大変嬉しく思います。
エンタテインメント業界の新たな時代を切り拓いた渡辺晋氏の功績に学び、今後も魅力的な作品を日本から世界中へ届けるべく、既成概念にとらわれずに取り組んでまいります。

服部克久氏 代理の服部隆之氏 授賞コメント

この度、亡き父服部克久が渡辺晋賞特別賞を賜りました事を私の家族、妹共々、大変光栄に思っております。
なにより、日本に於ける芸能界の黎明期を父と共に戦友の様に駆け抜けてこられた渡辺美佐理事長冠する貴財団よりの賞であります。父は如何程喜んでいる事でありましょうか!今後も残された私達は父の音楽的遺産を引き継ぎ、微力ではございますが日本のエンターテイメント界に貢献いたしますことをお誓い申し上げます。有難うございました。

「渡辺晋賞」について

「渡辺晋賞」は、平成17年渡辺プロダクション創業50周年にあたり、エンターテインメント業界における新しい感性のプロデューサーを顕彰し、大衆文化のさらなる発展向上を目的とするプロデューサー賞として創設された。毎年3月2日渡辺晋の誕生日に「渡辺晋賞授賞式」を執り行い、大衆性、将来性を兼ね備えた独創的なソフト(作品、アーチスト)を生み出し、また、才能ある人材を登用、組織し新しいビジネスモデルを構築し、大衆文化の発展に多大の貢献をしたエンターテイメント業界のプロデューサーを選考対象とし、年1回、顕彰している。

歴代の受賞者(敬称略)

第1回(2006年度)亀山千広 特別賞:岩谷時子
第2回(2007年度)鈴木敏夫 特別賞:宮川泰・青島幸男
第3回(2008年度)本多一夫
第4回(2009年度)松浦勝人
第5回(2010年度)秋元康
第6回(2011年度)三枝成彰
第7回(2012年度)大里洋吉
第8回(2013年度)三谷幸喜
第9回(2014年度)松任谷正隆
第10回(2015年度)小山薫堂
第11回(2016年度)北村明子
第12回(2017年度)矢内廣 特別賞:川村元気
第13回(2018年度)村井邦彦
第14回(2019年度)別所哲也
第15回(2020年度)藤田晋 菅野よう子

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