ユニバーサル ミュージック、音楽生成AI「Udio」と和解・ライセンス契約締結 Stability AIとも提携
ユニバーサル ミュージック グループ(UMG)は10月29日、音楽生成AI「Udio」と和解し、「革新的な新たな商業音楽の制作・消費・ストリーミング体験」を共同開発すると発表。翌30日には、画像生成AI「Stable Diffusion」や音声生成AI「Stable Audio」を手がける英スタビリティーAI(Stability AI)と次世代のプロ向け音楽制作ツールの開発に向けた戦略的提携を結んだと明かした。
UMGとUdioは、ライセンス取得済みの音楽で訓練された新たな生成AI技術を搭載した、サブスクリプションベースの新プラットフォームを2026年に導入する計画。ユーザーは「ライセンス供与され保護された環境」内で音楽をカスタマイズ、ストリーミング、共有できるようになるという。移行期間中もUdioの既存製品は継続して利用可能だ。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)はマイケル・ナッシュUMGエグゼクティブバイスプレジデント兼CDO(最高デジタル責任者)の話として、UMGのアーティストはUdioの新サービスへの参加が選択可能だと伝えている。
全米レコード協会(RIAA)は昨年6月、3大メジャーレーベルを代表して、Udioと同業Sunoを著作権侵害で提訴。UMGはUdioとの和解金の詳細などは明らかにしていない。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
「世界の音楽売上の3割を占めるユニバーサルミュージックが音楽生成AI二番手のUdioと和解、ライセンスを締結した。SunoとUdioは最近、YouTubeの音楽ビデオを無断DLして学習材料にしていたと音楽産業から訴えられていた。和解金は不明。動画生成AI大手のStable Diffusionとも提携したことから、ユニバーサルミュージックはSora2(動画生成AIのTikTokみたいなもの)の音楽版のようなものを目指しているのではないかと私は予想している。Sora2は現在、オプトアウト方式で批判を浴びているがオプトイン形式を目指している。ユニバーサルミュージックとUdioの目指す新サービスはオプトイン形式で立ち上げ予定。Sunoとも同様の和解・ライセンスを結ぶか、そしてこれらにソニーやワーナーなど他のメジャーも和解&ライセンスを供与するかが次の段階のポイントとなる。」ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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- UMG公式(Stability AI)
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@musicman_nusicman
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