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AI生成トラック、TOTOのSpotify公式アーティストページに登場 他アーティストも同様の被害に

ビジネス 海外

1980年代を代表するバンド「TOTO」のSpotify公式ページに、AIが生成した楽曲が出現した。公式アーティストページにAIトラックが出現したことで、この新たなタイプのAI詐欺に対するSpotifyの対応について、業界では疑問の声が上がり続けている。

「Name This Night」という曲が6月23日にアップロードされたが、すぐにAIによって生成されたものだと判明。同バンドは公式に苦情を申し立てた。既にSpotifyからは削除されているが、Apple MusicやYouTubeなどでは7月29日時点でまだ聴ける状態だ。

TOTO唯一のオリジナルメンバーであるスティーブ・ルカサーはアルティメット・クラシック・ロック(UCR)に対し「Spotifyがこれを許可したことに驚いている」とコメント。「われわれにできることは、偽物を見つけて削除させることだけで、恥知らずだ。もし私たちの全カタログを手に入れ、AIが私たちに非常に似たTOTOの新譜を作ったら、さらに悪化するだろう」と批判した。

同様のケースは先にも確認されており、1989年に亡くなったシンガーソングライターのブレイズ・フォーリーのSpotify公式ページに登場した「Together」という新曲も、AIが生成したものだった。

現在フォーリーのレーベルを所有するカントリー・アーティストのクレイグ・マクドナルドは「Spotifyがこのような行為に対してセキュリティーの修正をしていないのは驚くべきことで、責任は全てSpotifyにあると思う」と述べた。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「名曲『Africa』で知られるTOTOのSpotify公式ページに新曲がアップされたが、これがAIの生成したもので、メンバーの預かり知らぬところで起きた。同様のことが亡きブレイズ・フォーリーのSpotify公式ページでも起きている。クラッキングを受けたと予想され、早急に対処できないとSpotifyであちこちにアーティストの新曲を騙るAI曲があふれることになる。今後を見守りたい。」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。