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Spotify、マッシュアップ自動生成技術の特許を密かに取得

ビジネス 海外

Spotifyが、パーソナライズされた楽曲マッシュアップを自動生成する技術に関する特許を保有していることが分かった。出願書類を基に、Music Business Worldwide(MBW)が10月21日伝えた。

この特許技術は、楽曲を分析して音楽的に互換性のあるトラックを特定し、個々のユーザー向けに自動的にそれらを組み合わせた新たなマッシュアップを作成。トラックを構成要素(ボーカル、インストゥルメンタル)に分離し、あるトラックのボーカル要素を、テンポ、キー、ハーモニーなどが一致する別のトラックの伴奏に重ね合わせる。

トランジを滑らかにする「トランジション・リファインメント」という手法が取り入れられているほか、ユーザーがボーカルと楽器のバランスを調整することなども可能となっている。

この技術は2019年に米国で初めて特許申請が行われており、同社広報担当者はMBWに対し、先に発表した3大メジャーレーベルなどとの責任あるAI音楽製品の開発計画とは「無関係」だと話している。

(文:坂本 泉)

榎本編集長

「Spotifyが、ふたつの楽曲を腕利きDJのようにマッシュアップするAIの特許を取得していることがわかった。レーベル等と「責任あるAI開発」で合意しているので、勝手に公開することはないが、二曲のマッシュアップは曲を特定できるので売上の分配のルールは作りやすく、かつすでにDJの伝統があり、リスナーの需要も見えているので、よい落とし所ではある。楽曲の利用自体は著作権管理団体を含めた合意で済みそうだが、マッシュアップだと曲自体が変わるので著作者人格権をどのように折り合いをつけるか。著作者が気に入らないマッシュアップが出てきた時点で曲バンするか、オプトアウトするか、そもそもオプトインで始めるかといった議論が裏で進められていると想像される。いずれにせよ「音楽を聴く」から「音楽で遊ぶ」という次のトレンドに合致している話題だ」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。

@musicman_nusicman