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Spotify、「Discover Weekly」にAI粗悪コンテンツ大量流入

ビジネス 海外

新たなAI音楽ポリシーの中でAIによる粗悪コンテンツの問題に対処することを公約したSpotifyだが、複数のユーザーがオンライン上で、パーソナライズド・プレイリスト「Discover Weekly」に粗悪コンテンツがなおも混入し続けていると訴えている。Digital Music News(DMN)などが10月22日伝えた。

Spotifyのコミュニティーページでは、この問題が1年以上前から議論されており、「今週のSpotifyのDiscover Weeklyプレイリスト30曲中6曲がAI生成だった」といったSNS投稿も見られる。粗悪コンテンツにうんざりした多くのユーザーがSpotifyの利用停止を警告している。

Spotifyは9月にAI生成コンテンツの管理に向けた一連の新方針を発表したが、AIコンテンツを全面的に禁止するまでには至らなかった。同社は「音楽は常に技術によって形作られてきた」と主張するが、米音楽メディア「Pitchfork」は同社がAIトラックを排除しない理由は「単にストリーミング再生数を稼いでいるから」だと分析している。

(文:坂本 泉)

榎本編集長

「Spotifyの玄関口といえるDiscover Weekly30曲に6曲もAI生成曲が交じるという苦情が続いている。Spotifyはこれまで生成AIの粗悪曲を排除し、全体の再生の1%未満に抑えていると述べてきたが、人気曲や人気アーティストを模した巧妙な手口に、Spotifyのアルゴリズムがひっかかり続けている現状だ。ストリーミング詐欺も効率化を狙うのでおそらく洋楽がターゲットになっている分、我々日本人はまだ体感的に気づきにくいかもしれない。欧州の音楽サブスク大手Deezerが1日にアップされる楽曲の約28%がAI生成曲で、対策に応じていると発表しているので、おそらくSpotifyにも同様のことが起こっている。ディストリビューターが普及し、どんな人間もわずかな手数料で音楽配信に楽曲を公開できるようになったことも裏目に出ている現状だ。ストリーミング詐欺の被害額は日本の音楽ソフト売上に匹敵する規模になっている」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。

@musicman_nusicman