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米国の音楽サブスク契約者数、YouTube Musicなお苦戦 首位Spotifyの5分の1

ビジネス 海外

メディア業界で長年支配的な地位を築いてきたYouTubeだが、米国のデジタル音楽配信事業者(DSP)別の有料契約者数では、依然としてSpotify、Apple Music、Amazon Musicに大きく後れを取っている。独自のデータベースを基に、Digital Music News(DMN)が伝えた。

第3四半期(7〜9月)の市場シェアは、首位のSpotifyが36.5%。これにApple Music(31.0%)、Amazon Music(21.5%)、YouTube Premium/Music(7.2%)、Pandora Premium(1.7%)、Tidal(0.5%)、SoundCloud(0.3%)、LiveOne(0.1%)、Deezer(0.1%)iHeartRadio(0.1%)が続く。

DMNはYouTubeの苦戦要因は「本格的なオンデマンド音楽プラットフォームとして現在のYouTube Musicが確立されたのが2018年と遅かった」ことを挙げた。同じく後発組のApple Musicとも差が開いていることについては、Appleがグループアカウントで主導的な地位を占めるとともに、有料専用プラットフォームであることを指摘した。

一方、加入者の増減を見ると、YouTube Musicは前年同期比13%以上のプラス。SpotifyとApple Musicの伸びは一桁台にとどまっている。半面、Amazon Musicはマイナスとなり、米国サブスク市場の停滞傾向が表出している。

(文:坂本 泉)

榎本編集長

「アメリカでの音楽サブスクのシェア、Spotify(36.5%)、Apple Music(31.0%)、Amazon Music(21.5%)、YouTube Premium/Music(7.2%)、Pandora Premium(1.7%)に。記事の通り音楽サブスクでは後発だったことと、YouTube=無料のブランドイメージが強く米国内シェアはSpotifyの1/5になっている。ただYouTube Musicは世界的に好調で、アメリカでも伸び率は13%増と一番の伸び。Z世代も10代は「音楽は無料のYouTubeとTikTokで楽しむもの」という意識が強く(MIDiA調べ)、無料から有料へのゲートウェイとしては最も有利な立ち位置にある。首位のSpotifyもこうしたZ世代のサブスク嫌いに対応して、スマホの無料プランをプレイリストのシャッフルからYouTubeと同じ「特定曲の再生+広告」に変えて来るなど、YouTubeの急成長への危機意識がある。Pandoraは2010全然後はアメリカで音楽ストリーミングNo.1になったが音楽サブスクへの対応が後発のYouTubeよりさらに遅れたことで転落した」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。

@musicman_nusicman