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音楽業界の資金調達額、大規模なカタログ投資が伸びけん引 スタートアップは減速

ビジネス 海外

大規模なカタログ投資がけん引し、音楽業界の累計資金調達額(「業界隣接」分を除く)は、資金担保証券(ABS、楽曲カタログなどを担保に証券化)の発行を通じた資金調達を含めると、第3四半期(6〜9月)に40億ドルを突破。年初からの累計では70億ドルを超えた。独自のデータを基に、Digital Music News(DMN)が10月13日伝えた。

第3四半期は脅威的な数字を叩き出した一方、非ABS案件の件数(7件)と平均規模(2,310万ドル)は前年同期から減少した。

同期にはワーナー・ミュージック・グループ(WMG)と米投資会社ベインキャピタルのカタログ合弁設立、コンコード・ミュージック・グループのABS、レコグニション・ミュージック・グループ(旧ヒプノシス)のABS、SESACミュージック・グループの事業証券化(WBS)が発表され、これらだけで40億ドルを超えた。

DMNは、業界内および業界周辺の資金調達に関するデータベース「音楽産業資金調達トラッカー」を展開。「コア(中核)」と「業界隣接」(※AIのアンソロピックや短編動画アプリTrillerなど)で区分している。
(文:坂本 泉)  

榎本編集長

「世界の音楽業界の資金調達額が第3四半期(6〜9月)に40億ドル(約6,000億円)を突破。昨年の通年46億ドルに迫る驚異的な金額に達した。何度か書いたが、音楽サブスクやSNSの普及に著作権ビジネスが対応したことで、音楽出版が不動産ように堅実な投資対象に変わり、音楽カタログがABSのかたちで証券化されて人気を呼んでいる。記事のとおり、調査をしたDMNはアンソロピックなど汎用AIやTrillerなどSNSへの投資は、音楽に関連していても「業界隣接」扱いで計上していない。私がMusicmanで連載を始めた13年前、音楽ビジネスはオワコン扱いされていたことを思い出すと、隔世の感がある」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。

@musicman_nusicman