広告・取材掲載

広告・取材掲載

米国、最も成長したジャンルはロックとラテン ルミネイト中間期レポート

ビジネス 海外

米国のエンターテインメント業界向けデータ会社Luminate(ルミネイト)が公表した2025年中間期の音楽レポートについて、独立系の音楽業界ニュースサイト「ニュー・インダストリー・フォーカス(NIF)」がまとめている。(※オンデマンド・オーディオの総再生回数などに関する記事はこちら

米国のアルバム総売上(フィジカルとデジタル)は、前年同期比6%減の4,100万枚。デジタルは17.7%減の680万枚、フィジカル(レコード、CD、カセット)は3.2%減の3,420万枚となった。

米国のオンデマンド・オーディオ・ストリーミングでトップのジャンルは、依然としてR&B/ヒップホップ(1,711億回)で、これにロック、ポップ、カントリーが続く。最も伸びたのはロックで、次いでラテン、カントリーだった。

米国の音楽リスナーの18%がスーパーファンとみなされ、5つ以上の方法(ライブに行く、ライブ配信を見る、フィジカル商品を買う、ソーシャルでアーティストについて投稿、アーティストのニュースレターに登録、ファンクラブに登録など)でアーティストや音楽に関わっている。

米国、英国、イタリア、ドイツ、フランスでは、チケットの値段に対する不満がフェスティバルの障壁となっている。この傾向は米国ではやや緩和し、イタリア、ドイツ、フランスで大きく後退した半面、英国では加速した。

米国のリスナーの3人に1人が、楽曲のインストゥルメンタル作成に生成AIを使うことに「やや」または「非常に」抵抗がない。44%は、AIの声で新曲を作る生成AIに対して「やや」または「非常に」抵抗があるが、EDMやK-POPのようなジャンルのリスナーは寛容な傾向にある。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「2025年上半期、アメリカ音楽界のデータが続々。依然としてヒップホップが強いが最も伸びたのがロックとラテン。ロックは昨年から復活傾向。ラテンはやはりヒスパニック人口の増加(2000年は全人口の12.6%→2025年は20%予測)が大きいのだろう。他、スーパーファンは米国リスナーの18%にも達しているのが素晴らしい。AIへの反応だがAIを楽器として使うのは抵抗が低い。AIがボーカルの曲には44%が抵抗感、ただしEDMやK-POPのファンは寛容とデータがでており、AI特有の響きを活用した音楽はEDM、K-POPからチャートにも出てきそうだ」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。