世界のオンデマンド・オーディオ再生数、上半期は10%増 「米国外が大きな原動力」

米国のエンターテインメント業界向けデータ会社Luminate(ルミネイト)は、2025年中間期の音楽レポートを公表。上半期(1〜6月)の世界のオンデマンド・オーディオ総再生回数は2兆5,000億回と前年同期比10.3%増加した。伸びは前年同期の15.1%増から減速したものの、2桁の伸びを維持している。
このうち、米国は4.6%増の6億9,660万回、それ以外の地域は12.6%増の1兆8,000億回だった。
ルミネイトのロブ・ジョナスCEOは「世界的なストリーミングの継続的な拡大が確認されており、米国外市場がその大きな原動力となっている」とコメント。Music Business Worldwide(MBW)の分析によると、オーディオストリーム全体に占める米国の市場シェアは2019年の43.4%から2025年上半期には27.9%まで大幅に低下している。
米国の上位10曲を合わせた再生回数は36億2,000万回。シェアは市場全体の0.52%と、前年の0.56%、2016年時点の1.62%から低下しており、消費の断片化が続いている。
米国での総聴取に占める新譜(リリースから18カ月以内)の割合は24.2%にとどまる。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「世界のオンデマンド・オーディオ再生数、上半期は10%増。前年同期の15.1%からは減速したがストリーミング大国アメリカ(4.6%)以外の地域で伸びた。ただ再生あたりの売上は国によって差があり、例えばSpotifyの月額をUSD換算するとスイスが約16.5ドル、イギリスが約15.7ドル、アメリカが約12ドル、日本が約6.8ドル、インドが約1.4ドル。余談だがCD時代は世界トップクラスの高さだった日本の音楽の値段は、再販制度のないサブスクでかなり安くなった。ここにも国力の低下が出ているのが残念だ」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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