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編集長ピックアップ

音楽業界、AI音楽の検出技術を構築中 「削除でなく、ライセンスとコントロールが目標」

【榎本編集長】

「何気に重要なニュース。音楽に限らず一度、生成AIでアウトプットされたら元の学習素材がわからないというのが大問題だったが技術革新が進み、音楽に関しては例えばSunoで生成した曲の元ネタとなった楽曲をある程度、特定できるようになりそうだ。既にAIで生成した楽曲を検出→削除するAIは実用化され、Spotifyなど大手サブスクが導入しているようだが、今回のは音楽業界が生成AIを積極活用する未来を切り開く可能性を持つ。世界の音楽業界は既にSunoやUdioを裁判で訴えつつ、同時にライセンス交渉も進めているが、鍵となるのがAI企業側の自己申告がなくてもどの楽曲が元ネタになっているか割り出して自動的にライセンスできるようにするテクノロジーだった。欧米の裁判所に関係なく著作権のある楽曲をAIの学習材料に出来る国がこの分野で急進しており、生成しても元の素材が割り出せるなら対応の仕方も出てくる。中国のDeepSeekショック以来、英政府や米トランプ政権でAIが著作者の許可なく音楽を学習材料に出来る法案が進んでいるが、この法案が通るとライセンシング契約は意味がなくなってしまうところを、技術的に阻止できる大きな役割を果たすだろう」

メタ、AI訓練巡る著作権訴訟で勝訴も判決は「限定的」

【榎本編集長】

「音楽とAIに関連する重要な判決があったので解説。先月末、ChatGPTのライバルClaudeを運営するAnthropic(アンソロピック)が著作権のある700万冊をサーバに保管していた(学習材料にしたとこまでは特定されなかった)件で、サンフランシスコ裁判所は「フェアユース(引用)」の範囲内と判決。続けざまにメタ社のAIに本を無断利用されたとする作家グループの訴えを退けた。まず700万冊だがこれを音楽に置き換えると、著作権のある大量の楽曲を生成AIの学習材料にした証拠を提示するまではフェアユースの範囲内になる(※生成物の元素材に使えなくてもAIのアルゴリズムは鍛えられる)。続けてメタ社の判決では作家側(ここをアーティストと置き換えて考えてほしい)が敗訴した理由は、市場被害の具体的根拠に欠けていたこと。原則として「保護された著作物を許可なくコピーすることは一般的に違法である」と裁判所は改めて明言した。となるとAIが生成した楽曲がSNS等で広がった場合、(1)その曲で学習材料となった元ネタを判別する技術があって、(2)かつその楽曲がどれくらいの利益をもたらしたか、(3)さらに元ネタの楽曲がそれでどれくらいの「被害額」を被ったかを示さないといけないとかなりハードルが高くなる。(1)に関してはそうしたテクノロジーが出てきたと本日の別の記事で取り上げたが、(2)、(3)を推定する技術も必要になる。最高裁判決ではないので未確定とはいえ既存の著作権法や既存の技術では対応しきれない課題が含まれていると感じているが、著作権法改正に関してはAI側が有利な改正案が米英で進行中だ」

[訂正あり]ひと月でリスナー50万人超えのバンドにAI疑惑、広報担当者がAI音楽生成プラットフォーム「Suno」の限定的使用を認める

【榎本編集長】

「[訂正]報道元のローリングストーン誌が訂正記事を出したことを本日7/9に確認した。バンドの広報を名乗るフレロン氏はバンドと無関係であり、「デマを流した」とMediumに投稿。名前も偽名で、SNSで存在の希薄だったバンドの公式アカウントになりすましたと説明した。Velvet SundownのSpotifyのアカウントにリンクされているXにも「Sunoでバンドが音楽を制作したことを「確認」したフレロン氏はバンドとは無関係」という投稿があった。さらにストーン誌にXから「私たちのプロジェクトが引き起こす興味は理解しています。そして私たちは謎を解こうとしているわけではありません」とDMがあったという。ということで本記事を訂正してお詫びする。結局、Velvet Sundownの身元も確認が取れておらず、これで様相が明らかになったと確定した印象も無いので(Spotifyのバンドの公式バイオには「(このプロジェクトは)AI時代における著作権、アイデンティティ、そして音楽そのものの未来の境界を問い直す、継続的な芸術的挑発です」と記入された)、続報があればお伝えするつもりだ。」