Spotify、韓国の音楽ストリーミング市場で3番手に浮上 地場のGenie・Music Floを追い抜き

Spotifyが韓国で、genieとFLOを追い抜き、3番手の音楽ストリーマーに躍り出た。昨年10月に広告付き無料ティアを提供開始したことで急伸している。アプリ市場の分析サービス「WiseApp」のデータを基に、朝鮮日報(Chosun Biz)が6月19日伝えた。
Spotifyの同国における月間平均利用者数(MAU)は5月時点で359万人。genie(263万人)、FLO(175万人)、SoundCloud(118万人)、Naver Vibe(84万人)を上回った。2位のMelon(654万人)、1位のYouTube Music(982万人)との差も急速に縮小。ユーザー1人当たりの平均再生時間、リピート聴取率などが明らかに上昇傾向にあるという。
2021年に韓国市場に参入したSpotifyだが、最初の3年間は有料プランのみを展開。当時はMelon、genie、FLOといった地場サービスがシェアの大部分を占め、Spotifyのユーザー層は限定的なものだった。
Spotifyの現地法人は、ユーザーが作成したプレイリスト数は世界1位で、「音楽への深い関与と参加を示している」と述べている。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「韓国で昨年Spotifyの無料プランが解禁されたが、これで一気にSpotifyが順位を伸ばし、1位YouTube Music 2位Spotify 3位genie 4位FLO 5位 SoundCloudと勢力図が激変した。韓国ではGalaxyが強くiPhoneが弱かったことから長らく国産の音楽サービスがダウンロード時代からiTunesよりも強かったが、YouTube Musicが事実上、基本無料であること(主要な音楽ビデオは無料だから)で、DL販売から聴き放題への転換のタイミングで国産を一気に抜き、昨年、Spotifyが基本無料を備えて一気に上昇。Apple Musicもランク外だが若者世代はGalaxyにこだわりが無いため、今後伸びてくるだろう。SoundCloudがランクインしているのも面白い。なお世界では1位Spotify 2位Tencent 3位Apple Musicで、4位のYouTubeが新興国で強いことから来年にはApple Musicを抜きそうな勢いだ」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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