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2026年の音楽業界における資金の流れの実態

ビジネス 海外

「誰も音楽を買わない!」との主張もあるが、消費者が音楽に費やすお金が消えたわけではなく、ただ、その流れ方と受領者が変わっただけーー。音楽業界ニュースサイトのHypebotが伝えた。

インフレ調整後の音楽ソフト産業(米国)のピークはNapster登場以前の1999年ごろで、業界全体の収益は2010〜2014年に底を打ってから回復傾向にある。資金の流れを見ると、1999年は基本的に「消費者→小売業者→レーベル→アーティスト」という形だったが、2026年現在は「消費者→プラットフォーム→権利保有者→アーティスト」となっている。

消費者の音楽への支払額に占める割合は、1999年(CD時代)に流通/小売業者が15%、レコードレーベル/所有者が52%、ソングライター/出版社が11%、アーティストが13%、テック/プラットフォームが4%だった。一方、2023年(ストリーミング時代)にはテック/プラットフォームが33%、レコードレーベル/所有者が38%、ソングライター/出版社が9%、アーティストが14%と大きく変化している。

レコード会社は「360度契約」を通じてさまざまな収益源を持つため、収益はテック企業やプラットフォームの所有者、そしてレコード会社に集中。アーティストやソングライターが得る相対的な分け前が小さくなり、クラシックなバンドのツアー再開などが相次いでいるとの見方を示している。

(文:坂本 泉)

榎本編集長

音楽の売上が回復しても、アーティストの取り分はほとんど変わっていない。ではどこにお金が流れているのか?この調査が改めて物語っている。1999年、消費者が音楽に払ったお金のうちテック企業の取り分は4%だった。2023年、それは33%に。レーベルの取り分は52%から38%へ変化し、ソングライターは11%から9%へ。アーティストは13%から14%とほぼ横ばいだ。ストリーミングで音楽業界の売上総額が回復したのは事実だが、音楽産業の復活に貢献したプラットフォームが新たな受益者として台頭した。録音音楽での取り分が変化したレーベルは360度契約でライブ・グッズ・出版にも活路を広げ、産業全体の構造は多層化している。「お金は消えていない、流れ先が変わっただけ」——まずこの図を押さえた上で、音楽産業がAIを取り込むことで分配構造がどう塗り替えられていくかが、次の大きな問いになる。

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。

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