アーティスト代表者連合、「Sunoにノーを」キャンペーン開始
アーティスト代表者連合が2月23日、音楽業界に対し音楽生成AI「Suno」を拒否するよう呼びかける公開書簡を発表した。
「Sunoにノーを」と題された書簡では、アーティスト代表者らは同社を「厚かましい強奪プラットフォーム」と表現し、「人間の芸術家の作品で訓練された無許可のAIプラットフォームの仕組み」を使用していると非難。「プラットフォームをAIの粗悪なコンテンツで溢れさせ、その粗悪なコンテンツの源である正当なアーティストたちのロイヤルティープールを希薄化させる」と主張している。
この書簡には、音楽アーティスト連合(Music Artist Coalition)のエクゼクティブ・ディレクターであるロン・グービッツ氏、欧州作曲家・作詞家連盟(ECSLA)会長でソングライターのヘリエン・リンドバル氏、アーティスト権利研究所(ARI)のクリス・キャッスル氏らが署名。アーティストのデイビッド・C・ロウリー氏、アーティストでアーティスト権利同盟理事のティフト・メリット氏、アーティスト兼プロデューサーでECRミュージック・グループ社長のブレイク・モーガン氏、ノース・ミュージック・グループ社長のアビー・ノース氏らも名を連ねる。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
「アーティスト代表者連合がSunoへの拒否を呼びかける公開書簡を発表したのは2月23日。その翌24日、Sunoは元Merlin CEOのサイロータ氏をCCOに迎え、ARR3億ドル達成を発表した。このタイミングこそがSunoの戦略を物語っている。業界側が声を上げた直後に「業界との架け橋」人事と圧倒的な成長性を見せつけた形だ。既に提携済みのWarnerに加え、投資家は訴訟リスクを飲み込み24.5億ドルの評価額を付けている。Sunoが1日700万曲を生成し続ける現状、ストリーミング収益のパイが薄まる「ロイヤリティプールの希薄化」は不可避な現実だ。ただ、声明だけで流れは変わらない。UMGのグレインジ会長が警告するように、アーティストの作品を尊重しないモデルを拒絶し、訴訟とライセンス交渉を積み重ねて新たな業界スタンダードを構築していくしかない。」ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
- 公開書簡
- MBW:ARTIST REPRESENTATIVES LAUNCH ‘SAY NO TO SUNO’ CAMPAIGN: ‘AI SLOP DILUTES THE ROYALTY POOLS OF LEGITIMATE ARTISTS FROM WHOSE MUSIC THIS SLOP IS DERIVED.’
- Deezer「AI音楽再生の85%が不正行為によるもの」 収益化対象外に
- 音楽生成AI「Suno」、有料会員が200万人超え 年間経常収益は3億ドル達成
- 音楽生成AI「Suno」、アーティストパートナーシップチーム拡大 シニアディレクターにSpotify元幹部
- 音楽生成AI「Suno」、ワーナー・ミュージックと和解・提携 音楽ライブ発見プラットフォーム「Songkick」取得
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