音楽生成AI「Suno」、最高商業責任者に前マーリンCEOを任命
AI音楽生成プラットフォーム「Suno」は、最高商業責任者(CCO)にジェレミー・サイロータ氏を任命した。サイロータ氏は昨年末まで、インディペンデントのデジタル音楽ライセンスパートナーであるマーリン(Merlin)のCEOを務めていた人物。
サイロータ氏は今後、マイキー・シュルマンCEOの直属として、Sunoの商業戦略、音楽業界との関係構築、プラットフォームとの提携、企業向けソリューションを統括する。Sunoはサイロータ氏が、マーリンで初期のAI提携交渉を担当し、取引において協調的アプローチを取ってきた実績を強調している。
Sunoはここ最近、音楽業界との関係深化を積極的に進めており、昨年7月にはワーナー・ミュージック・グループ(WMG)で20年以上にわたりさまざまな役職を歴任したポール・シンクレア氏を最高音楽責任者に任命。今年1月には、クリエイター支援プラットフォーム「Patreon」やSpotifyで幹部を務めた経験を持つサム・ベルガー氏を、アーティストパートナーシップ担当シニアディレクターに迎えた。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
「これは業界が「え?」と二度見する人事だ。サイロータ氏はMerlin CEO時代、「許可なくAI学習に使うのは著作権侵害だ」と公言し、インディーズ3万レーベルの権利を守ってきた人物。そのMerlinはSunoに対して「明示的許可なしのAI学習は禁止」という声明を出していた。その本人がSunoのCCOに就任した。Merlin在任6年で年間収益を9億ドルから18億ドルへ倍増させた交渉のプロが、今度はSuno側の「業界との架け橋」になるという構図だ。ただし現実は複雑で、SunoはWarnerとは和解済みながら、UMGとソニーとの訴訟は継続中。皮肉なことにMerlinとのライセンス契約もまだない。サイロータ氏が自ら守ってきたインディーズ陣営との交渉テーブルに、今度は反対側の席で座ることになる。「敵を知り尽くした人物を招く」——Sunoが本気で業界との共存を目指しているとすれば、これ以上の人事はない」ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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