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YouTube、「AI音楽ホスト」機能を実験 SpotifyのAI DJに対抗

ビジネス 海外

YouTubeは9月26日、同プラットフォーム上のAIに焦点を当てた実験を試用できる有料会員向けプログラム「YouTube Labs」を開設したと発表。この一環として、AI搭載の音楽解説機能をリリースした。

「AI音楽ホスト」機能は、米国在住の一部ユーザー向けに提供され、プレイリストの楽曲間にAI音声による解説を追加する。YouTube Musicアプリで再生中の楽曲に関連するエピソードやファン向けトリビア、解説を共有することで、リスニング体験をさらに深めるとしている。

Spotifyが2023年に導入したAI DJ(AIがユーザーの音楽の好みを分析して専用ラジオステーションをかけてくれる機能)の直接的な競合に当たるとみられる。今年5月には、AI DJ向けの音声による音楽リクエスト機能も試験導入されている。

YouTubeは併せて、9月26日には再生速度の高速化や高音質オーディオといった有料会員向け機能を、より多くの種類のプラットフォームとデバイスで利用できるようアップデートした。

(文:坂本 泉)

榎本編集長

「いよいよ来た!という感じ。YouTubeの動画内で「トーク→音楽→トーク→音楽」とラジオ番組のようにやれたら世の中変わると2020年の拙著で熱弁したが、それは現状のYouTubeのMV→MV→MVとかTikTokのショート→ショート→ショートとかSpotifyの音楽→音楽→音楽という形だとコンテクストができにくいため、楽曲だけが消費されてアーティストにたどり着きにくいという状態があったからだ。記事のとおり9月26日、YouTubeは「AI音楽ホスト」を限定公開。プレイリストの楽曲間にAI音声による解説を追加する。出来次第によっては音楽業界にとってTikTokに続く「次の大物」になる可能性を秘めている。SpotifyもAIのDJが曲を紹介する機能を限定公開しているがそちらは「曲の解説」という感じではなく、「今日は雨だね。こんな曲はどう?」みたいな感じだったので、意味合い的にかなりの差がある。Spotifyは人がトークして曲を紹介する「Music+Talk」という企画もやっていたがこれは中止になっている」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。