広告・取材掲載

広告・取材掲載

謎の新人HAVENの「I Run」、バイラルヒットもディープフェイク疑惑でDSPから削除 音楽生成AI「Suno」使用

ビジネス 海外

TikTokユーザーの間で「今年の歌」と称された、謎の新人HAVENによるEDMトラック「I Run」。だが、係争中の音楽生成AI「Suno」を使用してボーカルを別のアーティストのように加工した疑惑が浮上し、Spotifyなどデジタル音楽配信事業者(DSP)からすぐに削除された。Digital Music News(DMN)が伝えた。

この曲は、TikTokでのバイラルヒットをきっかけに、Spotifyで1,300万回再生を記録。Spotifyの米国チャートで11位、全世界チャートで25位に急浮上し、その後もTikTokやInstagramで楽曲を使った動画が拡散され続けた。

同曲には英国のR&Bシンガーソングライターのジョルジャ・スミスの声を無断で「ディープフェイク」した疑惑が持ち上がっており、スミスの所属レーベル「The Orchard」や全米レコード協会(RIAA)、国際レコード産業連盟(IFPI)などからの削除要請により、SpotifyやApple Musicを含むストリーミングサービスから削除されるとともに、ビルボードチャートからも除外された。

HAVENは、英国のプロデューサー、ハリソン・ウォーカーとジェイコブ・ドナヒューによる新プロジェクトで、「I Run」はウォーカーが作曲・演奏。ウォーカーは、自身の声でボーカルを録音し、それを複数の処理とフィルタリングを重ねて声を変換したと述べているが、フィルタリングに「Suno」も使用したことが事態を複雑にしている。

(文:坂本 泉)

榎本編集長

「日本ではそれほどでもなかったのだが、世界のTikTokで10月にバズりまくった曲HAVENの「I Run」がAI疑惑がかかりSpotifyやYouTubeなどから一斉に削除された。Shazamの世界バイラルチャートで1位、オフィシャルUKシングル・チャートで9位、Spotifyグローバルデイリーチャートで25位だったがそれらからも削除。AIの生成曲としては最も伸びた曲だったことになる(ザニア・モネはビルボードのR&BのDL販売ランキング1位、ブレイキング・ラストはビルボードのカントリーのDL販売で1位)。「I Run」は英国のプロデューサー、ハリソン・ウォーカーが制作。本人はSunoで自分の声を変換したと言っているが、「英国R&Bシンガーのジョルジャ・スミスの声にそっくり」という声がSNSで噴出していた。実際、聴くとそっくりというかそのまんまに聴こえる」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。

ポッドキャスト概要:

Musicman Podcast — 業界の“今”を深掘り

「Musicman大学」は世界の音楽業界の最新トピックスを解説。講師は『音楽が未来を連れてくる』の著者、Musicman編集長・榎本幹朗。「Talk&Songs」は月間500組ものアーティストニュースを担当するKentaが選ぶ、今聴くべき楽曲と業界人必聴のバズった曲を解説。

Spotifyでポッドキャストを聴く

プレイリスト概要:

記事連動セレクション — エピソードと繋がる楽曲たち

月間500のアーティスト記事から厳選した楽曲と、業界人必聴のバズ曲をプレイリストで。最新シーンの決定版!

Spotifyでプレイリストを聴く
@musicman_nusicman