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日本と中国の音楽産業規模、韓国をなおも大きく上回る

ビジネス 海外

K-POPの台頭に関する絶え間ない報道と集中的な宣伝、世界的な流行にもかかわらず、日本と中国は依然として音楽ソフト産業の規模で韓国を大きく上回っているーー。国際レコード産業連盟(IFPI)が9月23日に公表した報告書を基に、Digital Music News(DMN)が伝えた。

IFPIによると、2024年の録音原盤市場の地域別ランキングは、上位から米国(104億ユーロ)、欧州連合(EU、57億ユーロ)、日本(23億ユーロ)、英国(18億ユーロ)、中国(15億ユーロ)、ブラジル(5億9,800万ユーロ)、中東・北アフリカ(MENA、1億3,300万ユーロ)、サハラ以南アフリカ(1億100万ユーロ)となり、韓国は含まれていない。

DMNは韓国について、他のアジア諸国と比べて国土が小さいにもかかわらず、政府支援などを原動力に、多くの国が模倣を模索する「ワンストップ型」の文化輸出モデルを生み出したと指摘。2024年の文化輸出額は136億ドルで、このうち音楽分野は前年比51.5%増の18億5,000万ドルとなった。

積極的なマーケティング戦略の縮小と主力アーティストの不在で、K-POP業界の急成長は昨年減速したが、Netflix発のアニメ「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ」とそのサウンドトラックの世界的成功が示すように、K-POPの勢いはさらに加速するとみている。

(文:坂本 泉)

榎本編集長

「国際レコード産業連盟(IFPI)による世界各国の音楽売上。記事のユーロを176円で換算すると1位米国1兆8304億円、2位EU1兆32億円、3位日本4048億円、4位英国3168億円、5位中国2640億円、6位ブラジル1050億円、7位中東・北アフリカ(MENA)234億円となる。日本はレコ協の発表だと3285億円なのでユーロ円レートが古いか、別の推計かもしれない。IFPIのGlobal Music Report 2025によると、2024年の韓国の録音音楽市場の総売上高は6億2,900万米ドル(150円/ドルなら943億円)で、世界第7位なので、今回のに付け加えるならやはり7位になる。韓国の音楽輸出額18億5,000万ドルは2775億円なので、いずれにせよ韓国は国内マーケットよりも国外マーケットが3倍ほど大きい。何度か伝えているが日本も少子高齢化と国内経済の世界での相対的縮小が続いて、いよいよ国外市場を指向するようになった。今年前半にはAdoやLiSA、YOASOBI、米津玄師が海外ツアーに。現在は藤井風、ワンオク、FLOWが海外ツアー中で、この後にはFRUITS ZIPPERやHYDEなどが海外ツアーを予定している」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。