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AIアーティストがカントリー界に襲来 突如としてSpotify、Shazam、iTunes、ビルボードのチャートにランクイン

ビジネス 海外

AIアーティストのチャート入りが続いている。ソングライターのAubierre Rivaldo Taylor名義のAIプロジェクトであるBreaking Rustの「Walk My Walk.」は米ビルボードチャート「カントリー・デジタル・ソング・セールス」で2週連続1位を獲得。同じくAI歌手のCain Walkerも、同チャートで3位、9位、11位に楽曲をランクインさせている。Digital Music News(DMN)が伝えた。

Breaking Rustは、Spotifyで月間リスナー200万人以上を抱える。ビルボードは両者の音楽を「バーチャルアクト」と区別しており、アーティストや作品がAI生成であることを、ある程度透明性をもって示している。

両アーティストはiTunesでチャート入りし、SpotifyやApple Musicなどのデジタル・サービス・プロバイダー(DSP)で再生数を伸ばしている。注目すべきは、両者ともShazamで高順位を獲得している点で、「さらに聴きたい」と思っている人が多いことを示している。

ビルボードによると、過去1カ月のチャート週間ごとに少なくとも1組のAIアーティストがデビューしているという。ビルボードなど主要プラットフォームでチャート入りしたAIアーティストの多くは、カントリーまたはゴスペルのジャンルに分類される。Instagramなどの投稿を見ると、Breaking Rustのリスナーの多くは、その音楽が機械生成であること自体を楽しんでいるようだ。

(文:坂本 泉)

榎本編集長

「ザニア・モネに続き、またAIアーティストがBillboardチャートイン。Breaking Rustの「Walk My Walk.」が「カントリー・デジタル・ソング・セールス」で2週連続1位。Cain Walkerも、同チャートで3位に。「Walk My Walk.」の公式音楽ビデオを記事に張っておくが、バリバリにこぶしの効いた歌いまわしで、歌詞も「人生に何度もやられたけど、俺は絶対に折れない。文句言う奴はほっとけ。俺は俺の信念で、俺の道を歩く」という趣旨の典型的なアメリカン・タフガイ風。一方で映像の方はAI丸出しで、むしろそれが良かったのかもしれない。AI製を見破るリスナーがわずか3%(Deezer調査)の一方、「AIに騙されたくない」という感情はiHeartの調査で強く出ている。ザニア・モネは中の人に共感が集まったパターンだが、ブレイキング・ラストの中の人は匿名。Sunoの歌唱力だけでなく、体臭が漂ってくるような人間臭さをプロンプトで演出しきれたのがよかったように感じる」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。

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