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OpenAI、IPO計画か 評価額154兆円も

ビジネス 海外

米OpenAIは現在、新規株式公開(IPO)の準備を進めており、評価額は最大1兆ドル(約154兆円)と、史上最大規模のIPO案件となる可能性がある。複数の情報筋の話として、ロイター通信が10月30日報じた。

それによると、OpenAIのサラ・フライアー最高財務責任者(CFO)が一部の関係者に対し、同社が2027年の上場を目指していると伝えたという。ただ、一部のアドバイザーは2026年末ごろに早まる可能性があると予測している。

これについて、同社広報担当者は「IPOは弊社の焦点になく、日程を設定したことはあり得ない」とコメント。11月5日にはフライアーCFOが、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)主催のカンファレンスで「現時点でIPOの計画はない」との見解を示した。

サム・アルトマンCEOは10月28日のライブ配信で「今後の資金需要を考慮すれば、(上場は)弊社にとって最も現実的な選択肢と言えるだろう」と述べていた。

OpenAIは2015年に非営利団体として設立された。数年後には営利子会社を設立し、これを非営利部門が監督・管理する体制に再編。2025年10月には営利部門を公益法人に転換し、企業価値は約5,000億ドルと評価された。

榎本編集長

「ChatGPTやSoraを運営するOpenAIがIPOで最大最大1兆ドル(本日だと約154兆円。ドル円が1円動くと1兆円動くのが恐ろしい…)の評価額に。昨日Open AIがSunoのような音楽生成AIを開発中という報道を紹介したが、IPOがあると生成AIの草創期のように「インターネット全部」を学習材料にするのは、上場でリスクが発生する。おそらく(1)オプトイン(2)モデルの学習に既存曲を利用(3)メジャーレーベルとライセンス契約などがこのIPOで進むと思われる。アーティスト側のメリットとしては(1)制作の効率化(2)AIでの共作モデルでの収益化(3)声・人格権のライセンス収益化(4)DSPでの人間証明での差別化などが考えられる。デメリットは既に1億曲以上のなかで埋没と戦うレッドオーシャン化がさらに進むということが最も大きいだろう。サブスクの普及が終わり、次の成長モデルが音楽ソフト産業に求められつつあるが(日本は遅れたのでまだ伸びる)、AIがIPOを通じていわば公民権を得ていくに連れ、拙著で5年前に予測した「サブスクの次」は喫緊の課題になっていくだろう」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。

@musicman_nusicman