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【特別インタビュー】Weverse代表取締役 チェ・ジュンウォン氏 ~スーパーファンプラットフォームが描く、推し活文化の未来とグローバル戦略~

インタビュー スペシャルインタビュー

Weverse代表取締役 チェ・ジュンウォン氏

170組以上の世界的アーティストが参加し、月間アクティブユーザー数1,200万超、アプリ累計1.5億ダウンロードを突破したスーパーファンプラットフォーム「Weverse(ウィバース)」。

2024年、ユニバーサルミュージックやワーナーミュージックなど、メジャーレーベルがこぞって「スーパーファン戦略」を打ち出す中、Weverseはこの分野ですでに5年以上の実績を積み重ね、業界の先駆者として確固たる地位を築いている。

特筆すべきは、韓国発のプラットフォームでありながら、ユーザーの約9割が韓国国外のファンであるという事実だ。日本、米国、中南米など、多様な国々のファンが「言葉の壁」を超えて熱狂する背景には何があるのか。

Weverse Company代表取締役 チェ・ジュンウォン氏は、NexonやNCSOFTなどのゲーム会社、そして「ベイビーシャーク」を展開するThe Pinkfong Companyを経て参画した“プラットフォームのプロフェッショナル”だ。ゲーム業界の知見をエンタメに持ち込んだ彼が語る、「スーパーファン」の定義、そして日本市場への新たな価値提案とは。

(インタビュアー:Musicman編集長 榎本幹朗)

2026年1月21〜23日に開催となる「ライブ・エンターテイメントEXPO」にて、チェ・ジュンウォン氏の登壇が決定!(※1月23日登壇)

グローバルファンとの関係性を軸に、統合的な体験設計、ファン主導の成長戦略(Superfan-driven Growth)、そして音楽ビジネスの拡張に向けた具体的なソリューションについて講演を実施する。

 

米国とは異なる「スーパーファン」の定義

──まず、チェさんの経歴とWeverse参画の経緯をお聞かせください。

チェ・ジュンウォン(以下、チェ):私は約25年間、プラットフォームとテック事業、主にコンテンツ企業でキャリアを積んできました。ネクソンやNCSOFTといったゲーム会社、そして「ベイビーシャーク」で知られるThe Pinkfong Companyなどです。華やかなK-POPの世界というよりは、ゲームやコンテンツビジネスの実務をメインとする業界に身を置いてきました。

Weverseへの参画は、生みの親であるバン・シヒョクから「Weverseをより良いものにしよう」と提案を受けたことがきっかけです。

──ゼロからの立ち上げではなく、グロースさせるフェーズでの参画だったわけですね。

チェ:その通りです。私が参画した当初、WeverseはEC機能とコミュニティ機能のみの初期段階でした。当時はBTSとTOMORROW X TOGETHER(TXT)が急成長しており、ファンダムの熱量に応える機能の実装が急務でした。そこからの5年間、ファンが増えるにつれて求められる「カバレッジ」を広げ、ファンダムのライフスタイル全般を支えるエコシステムの構築に注力してきました。

ゲーム業界では、プレイヤーの行動パターンを詳細に分析し、サービス改善につなげることが当たり前のスキームになっています。Weverseにおいても、ファンの行動データを基にしたアプローチなど、ゲーム業界での経験が大いに活かされています。

──今やWeverseは、世界中で「スーパーファンプラットフォーム」のお手本となっています。

チェ:5年前に始めた頃は競合が存在せず、スタートアップとしては「比較対象がいない」ということに不安を感じていました。しかし現在、メジャーレーベル各社が「マーケットとクリエイター、ファンを繋ぐプラットフォームを作る」と宣言しています。競合が現れたことは、逆に「我々の方向性は間違っていなかった」という確信と安心感につながりました。

あと、プラットフォームを作っていく上で自信を持っている部分もありました。アメリカとの見方の違いという部分もありますが、アメリカではお金を多く使ったファンのことを「スーパーファン」と呼びます。でも、我々が考えている「スーパーファン」とは少し違います。

Weverseとして考える「スーパーファン」の定義は何なのか、ということを最初は考えました。でも定義づけたからといって、全てのファンを一括りにすることはできないと思ったので、Weverseがグローバルファンダムプラットフォームを謳う上で、それぞれのファンの行動や心理がどうやって分かれているのかを分析する必要がありました。

──最初はファンクラブのデジタル化なのかなと思いましたが、それとは違うんですか?

チェ:我々が考えているファンダムライフスタイルの中の重要な軸として、そうした伝統的なファンクラブ文化が入っている感じです。なので、ファンたちを幸せにするために、ファンたちのライフスタイルの中で、一つ一つ自分たちのサービスを組み込んでいくということが重要ですし、そのファン活動自体が生活の方に組み込まれている歴史が長いのが日本という国だと思っています。

例えば、音楽を聴いてファン同士で交流をしたり、特典を楽しんだり、公演を楽しんで公演からの帰り道で音楽の余韻に浸るなど、一貫してそのライフスタイル全般をカバーできるように我々は考えています。

──ファンダムとスーパーファン、Weverseではその境界線をどう引いているのでしょうか?

チェ:明確な線引きがあるわけではなく、「行動のグラデーション」だと捉えています。まず興味を持ち、SNSなどで受動的に情報を吸収するのが「ファンダム」の入り口だとしたら、そこからより没入し、自ら能動的に行動するのが「スーパーファン」です。グッズ購入や公演への参加はもちろん、「推し活仲間」を探したり、自ら情報を発信してファンを増やす役割を担ったりと、没入感が深まるにつれて行動が変化していきます。

──Weverseは当初からその両方をターゲットにしていたのですか?

チェ:実は立ち上げ当初は、明確に「スーパーファン」の皆さんにより高度で快適なファン体験を提供することを狙っていました。分散していた公式グッズの購入(コマース)やコンテンツ視聴などの機能を一つにまとめ、ファンの利便性を高めることからスタートしたのはそのためです。

しかし、「検索」や「発見」といったライトなファンダム活動においては、TikTokやYouTubeのような巨大プラットフォームが圧倒的に強いのも事実。2年前、我々がそこまで手掛けるべきか非常に悩み、「我々が後追いする領域ではない」という結論に至りました。そこで導き出した答えが「リスニングパーティー」です。

 

ファン同士が遊べる広場「リスニングパーティー」

──なるほど。Stationheadなどが出てきた時期とも重なりますね。

チェ:はい。SpotifyやApple Musicと連携し、ストリーミングしながらファン同士が遊べる「広場」を提供する。これはスーパーファンが求めていた機能であり、既存のSNSや動画プラットフォームとは違う、Weverseならではの価値です。

──リスニングパーティーというのは素晴らしいアイデアで、本質的だと思います。昔はCDを買ってライブに行くことが基本でしたけど、アーティストと同じタイミングでファンが一緒に楽しむことができるという機能は、アーティストとファンの双方にとっても新しい柱になるのでは。

チェ:本当にご理解いただいてとても嬉しいです。リスニングパーティーだけではないんですが、今後Weverseが進化していく方向性としては合っていると思っています。

Weverseの中では、リスニングパーティー以外にもWeverse LIVEだったり、Weverse DMだったり、アーティストとファンがコミュニケーションを取れる機能がたくさん用意されています。メディアという形でコンテンツを見ることもできますが、単にサービスメニューだけでなくて、アーティストとファンが交流をする場になっているんです。

──YOASOBIやKAWAII LAB.の参加など、色んなレーベルとも日本で交渉を進めているという形ですよね。レーベル毎の違いがどういう風にあるかなど、業界の方々は興味を持ちそうなので教えていただけますか?

チェ:Weverseが重要視している部分として、いつも強調しているのがプラットフォームの中立性です。どのレーベル、どの事務所なのかは関係なく、すべて中立的に平等に扱ってきましたし、プラットフォームの中立性が信頼度につながっていくので、そこに関しては重要に守っている部分です。

──日本には歴史あるファンクラブが存在しますが、Weverseはどう共存していくのでしょうか。

チェ:我々は日本のファンクラブ文化を深くリスペクトしています。エンターテインメント事業のマーケットを見た時に、それぞれのファンの生態系がそれぞれの国によって全く違うということが一つあって、グローバルファンダムプラットフォームで考えたときに、Weverseの基準がすべてに適用されるべきだと思っていないんです。

 

チケット先行販売に頼らない「デジタルメンバーシップ」

──Weverseのようなプラットフォームは日常的に楽しんでもらう、ファンに幸せになってもらう、といった考え方が素晴らしいと思います。日本におけるファンクラブは、どちらかというとチケット先行販売が中心だと思うので、日常的にファンが楽しんでもらうプラットフォームとして既存のものと両立できていますね。

チェ:おっしゃる通りです。Weverseでは、ファンたちが日常的に幸せを感じる部分にすごく重きを置いて運営しています。それで、2024年12月に「デジタルメンバーシップ」というサービスを開始したのですが、そこにはチケット先行販売の特典がないんです。

そうなった時に、チケット先行販売は一番重要な特典ではないかとWeverse内で何度も討論を重ねながら、最初は小さい規模から始めていって、今では11ヶ月のデータが蓄積されているのですが、そのデータを見るとデジタルメンバーシップの加入者数が飛躍的に増えているんです。

──その情報自体が、日本の音楽業界に大きな影響を与えると思います。

チェ:日本でも動画配信プラットフォームのプライム会員サービスがあると思いますが、それと似たような感覚で、例えば高画質でコンテンツを見ることができたり、オフラインにダウンロードできる限定特典を与えたり、AI字幕の機能だったり、細々とした特典のメニューを最初は8つの特典で始めましたが、現在はそれ以上に機能が増えています。

最初は正直不安もあり、内部的な議論を重ねて8つから始めた所から徐々に増やしていっていますが、データが蓄積していく中でデジタルメンバーシップを喜んでいただけていると、最近では道筋が見えている形になっています。

──その中で一番大きな特典となっている機能はなんですか?

チェ:AI字幕ですね。ファンたちがWeverseを使う中で一番喜んでいただいているサービスとしてWeverse LIVEがあって、Weverseがサービスとして立ち上がったのは韓国が元ではありますが、1,200万のトラフィックの中で韓国のユーザーは10%程です。それぐらいグローバルユーザーが多いので、リアルタイムでグローバルユーザーがAI字幕を通してアーティストとコミュニケーションを取れることが、デジタルメンバーシップの特典としての大きな機能になります。

──韓国以外のグローバルユーザーが9割というのは驚きです。例えば、どんな国の人が利用しているんでしょうか?

チェ:ユーザー数の順番通りではないんですけど、日本、韓国、中国、アメリカ、インド、インドネシア、メキシコですね。

──それぞれの国のファンと接していて、どんな印象をお持ちですか?

チェ:まず日本に関しては、ファンクラブ文化が伝統的に続いてきている国なので、すでにファンクラブやファンダム文化に関して慣れていらっしゃるユ―ザーがとても多い印象です。スタイルが定着している部分もあるので、新しいことをやることにチャレンジングに感じる部分があると思っています。アメリカのファンに関しては、掛け持ちするファンが多くて、浅く広く、複数のグループに関して推し活をしているファンがとても多い印象があります。

韓国では時代によって変わってきてはいるのですが、昔は一つのグループだけを推す傾向がありましたが、我々は5年前からおそらく変わっていくだろうと予想していました。現在、韓国はまさに時代が変わって入れ替わりの段階で、我々が見ている限りだと、アメリカや日本のファン文化に寄っていっています。

面白い分析を一つお伝えすると、KATSEYEやSANTOS BRAVOSなど、Weverseプラットフォームに参加する他の国のローカルアイドルの事例がありますが、デビューと同時にWeverseコミュニティをオープンして、ファンダムの数がかなり急速で増えていっています。

デモグラフィックを見ると、圧倒的にローカルファンたちが多いです。でも面白いのが、彼らのデモグラフィックとしてはローカルファンが多いのに、ファンダムの行動パターンとしては韓国寄りになっています。なので、ファンダムとスーパーファンは何が違うのか、その問いに関する返事にもつながると思いますが、スーパーファンだからといって一つの基準に定まらないということです。

ローカルファンのデモグラフィックが多いのに、行動パターンは韓国と似たような形を見せているように、スーパーファンがどういう楽しみ方をその中で見せているのかは一つの理由で定義付けはできない。で、彼らの行動とか心理は地域別、音楽ジャンルに合わせてどんどん変貌していくので、我々はそれをちゃんと見守りながら分析していく必要があると思っています。

 

AI翻訳技術が変える国境を超えたファンダム

──言葉の壁を越え出した時にファンダムはどんな形になっていくんでしょうか?

チェ:とてもいい質問ですね。今Weverseは16ヶ国の言語で翻訳対応しています。即座に変わりましたとお伝えできる部分は少ないと思いますが、まず一番大きい変化としてチャットのエンゲージメントが格段に上がりました。

アーティストが一時間のライブ配信をするとして、一人当たりの視聴時間が格段に増えています。言っている内容をリアルタイムで理解できるので、ずっと見ているファンの方が増えている気がします。

──この話を伺ったのは、今年から日本が「MUSIC AWARDS JAPAN」を始めたように、J-POPの輸出を音楽業界全体で始めようとしています。

TikTokやInstagram、YouTubeなどで日本の音楽は楽曲単位では伝わりますが、曲からアーティストのファンに中々変わっていかないところがあって、WeverseのようなグローバルプラットフォームがあることはJ-POPのグローバル展開においても強力な武器になりそうです。

 

チェ:仰っていただいたことが我々の考えている分析とあまりにも合致しすぎて、驚いています(笑)。実際Weverseを活用していただいているアーティストでグローバルファンダムをすでに拡張している方々に関しては、Weverseのファンダムの分布図を見ながら、ツアーの経路を組み立てて、ツアー計画を実施しています。

──日本のレーベルや事務所の皆さんと、特にこの一年は交渉されてきたと思いますが、日本の音楽業界の印象はどんな風に見えていらっしゃいますか?

チェ:マーケットのデータや直接やり取りをしている社員から話を聞いて、Weverse内でのアーティストの活動パターンを拝見させていただきながら感じるのは、多くのJ-POPアーティストの方々が海外へのマーケット拡張の熱望がとても大きくて、それがどんどん広がっていっているということを実感しています。

積極的に海外展開をしようとしているアーティストに関しては、積極的にファンエンゲージメントを図って行動していただいています。でも、最初の方はJ-POPのアーティストの方々は比較的シャイな方が多いなということを感じつつも、その方々も最近ではどんどん前に出ようとされているように感じています。

──おっしゃる通りで、日本のアーティストってシャイな方も多くて、言葉でファンとコミュニケーションする、毎日SNSでコミュニケーションするというのは、少し苦手だなと思っている方々も多いんですけど、Weverseだったら上手くコミュニケーションができる機能が揃っているということですか?

チェ:はい。だからこそ、リスニングパーティーを活用してほしいです。リスニングパーティーでは直接声を聞かせなくても、自分の好きな音楽やプレイリストを流しながら、チャットを打つことでファンとコミュニケーションを取ることができます。

ジャンル別にも違う部分があると思いますが、最近参加したKAWAII LAB.に関してはWeverse DMをとても活用していただいています。なので、コミュニティ自体の活動性がとても積極的でファンたちが一丸となっています。

Weverse LIVEを活用しなくても違う方法でのエンゲージメントの仕方もあって、Mrs. GREEN APPLEに関しては、今年の頭の韓国公演で韓国のファンたちの熱気を直接感じていただいて、それがまたアーティストの活動やエンゲージメントにつながっていたので、一概には言えないですがいろんな活用の仕方がありますね。

 

ビジネスモデル変革への挑戦

──YouTubeやTikTokのような無料のサービスがあって、SpotifyやApple Musicのような音楽全体のサブスクリプションがあって、今まではその上にライブがあったんですけど、その中間がなかったですよね。そこが次の課題で、アーティスト単位のサブスクリプションの役割としてWeverseが音楽業界のピラミッドの間の部分を作っていくということですか?

チェ:ピラミッドの訴求力を考えると逆三角形になる可能性がもちろんあると思いますが、そういったフレームワークに関しては、常日頃マーケットの理解も含め考えて動いています。

俯瞰してプラットフォームビジネス全体を見てお話をすると、結局はトラフィックが一番重要で、それを元にどうマネタイズしていくのか。で、マネタイズの仕方としては、広告収入かサブスクリプションからの収入の形が収益の軸になると思っています。Weverseに関してはプラットフォームビジネスなので、この枠からは大きく離れないとは思いますが、やっと一歩踏み出した形になり今後も毎年変わっていくでしょう。

──次は世代についての質問ですが、「MIDiA」というイギリスの音楽コンサルティングファームで、マーク・マリガンさんのレポートで「Z世代の下の若い世代、10代のアルファ世代がYouTubeやTikTokのアルゴリズムに慣れてしまって、受動的な音楽の楽しみ方しかできていない。」と。

上の世代は体験を楽しみに行く能動的なところがあったと思うんですけど、10代の子たちが受動的になり、サブスクリプションにも来られない感じがあるんじゃないかという分析をしていましたが、チェさんはどう思われますか?

チェ:アーティストを発見するという入り口には、アルゴリズムの影響力はどうしても大きくなると思います。なので、Z世代やアルファ世代に関しては、アルゴリズムの影響を間違い無く受けると思っています。

アルゴリズムの影響を受けて受動的になっても、はたしてサブスクリプションを契約しないのかというと、それは違うと思います。Z世代やアルファ世代に関しては稀少な公演に行ける体験を、お金を出してでも挑む傾向はあります。

──WeverseはBTSのイメージが強くて、日本でも始める際にYOASOBIのようなビッグアーティストの参加イメージが強いですよね。でも、チェさんの考え方はビッグアーティスト以外の方々のファンも楽しんでいただけるような設計を目指しているということですね。

チェ:基本的にはそうです。デビューしたての新人アーティストもWeverseにはたくさんいて、ファンダムを一緒に育てていくという考え方をしているので、レーベルやアーティストの大きさには制約を置いてないです。

それと現在Weverseでは、音楽アーティストに加えて、VTuber、映画俳優、ミュージカル俳優など、さまざまなジャンルのクリエイターにも利用いただいており、今後も幅広い分野に開かれたプラットフォームとして成長を続けていく方針です。

 

推し活の「未来」をつくる3つの軸

──今の課題を見てこういう機能があったらいいなと、言える部分で良いので教えていただけると。

チェ:ビジネスという観点で数字はもちろん重要ですが、パートナーであるファンとアーティストとレーベルにいかにして最高の価値を与えられるか、ということに重心を置いて考えるべきだと思っています。

ファンの視点から我々が構築したエコシステムの中で、基本的に必要な軸は全部作られていますが、まだ5、6年しか経っていないサービスで高度化していく部分もあると思うので、いかにこの部分を成長させていくのか、楽しみをどういう風に増やしていくのか、が大事だと思います。

今重要だと思って集中しているポイントを3つ例として挙げさせていただきます。

まず1つ目はリスニングパーティーです。今Apple MusicとSpotifyに関してAPI連動をおこなっていますが、それをより深くお互い連携していきながら、より深い楽しみを与えられるのかを見守っていただけたらと。

2つ目に関しては、Weverseを立ち上げた時から、BTSのファンに関してグッズをオンラインで買って現場で受け取るサービスを実施してきました。先ほどお伝えしたようにファンのライフスタイルに関してどうやってカバレージを広げていくのかがとても重要で、推し活の中で一番クライマックスになるのはコンサート会場と公演を見に行く行動だと思いますが、そこをいかに最大化していくか、オンラインとオフラインをより密につなげていくのか、ということを考えています。

3つ目に関しては、今年の10月1日からアメリカ限定で始めているサービスではありますが、マーチオンデマンドと言いまして、オーダーが入ってから商品を作るという形のサービスを始めました。

完全オーダーメイド制なので在庫もでないですし、品切れもない。有名アーティストのグッズに関しては、即品切れになることが多くて、買いたくても手に入らない状況がたくさんあります。これはレーベル、アーティストにとって事業面でプラスですし、ファンにとってはいつでも買いたい時に買える基本的なベーシックアイテムができるという意味でプラスになっていくと思います。なので、他の地域にも拡張していくことを考えています。

──グッズというと、Tシャツやタオルなんかはマーチオンデマンドで色々できそうですよね。どんなものに対応していますか?

チェ:10月はハロウィン限定のマーチオンデマンドを始めましたが、主にラインナップとしてはTシャツやパーカーなどのアパレル系が多い形ですね。そのラインナップの中でどのグッズをどこまでやるのか、種類を選ぶのはレーベル側なので、そこは順次変わっていくと思います。

──最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

チェ:Weverseは推し活を通して、その楽しみを全世界に広げたい気持ちの一心で頑張っているので、推し活をどのように広げていくのか、成長させていくのか、見守っていただければと思っています。

──ビジネスを超えた文化的使命感として音楽ファンの日常が豊かになっていく。Weverseを通してそういうものをすごく感じました。どうもありがとうございました。

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