音楽フィンテックbeatBread、暫定CEOにトレーシー・マドックス氏を任命 CD Baby元CEO
独立系アーティストやレーベル向けの資金調達プラットフォーム「beatBread」は11月19日、トレーシー・マドックス氏を暫定最高経営責任者(CEO)に任命した。同氏は、故人となったピーター・シンクレア共同創業者兼CEOの後任となる。
同社は、シンクレア氏の「より公平で透明性の高い音楽産業へのビジョンが、依然として弊社の目的の中核」だと強調。マドックス氏は取締役会の長期アドバイザーにも任命され、恒久的な後継者探しにも積極的に関与する。
マドックス氏は、2010年から2020年にはDIYアーティスト向けディトリビューターの「CD Baby」のCEOを、その後は親会社のダウンタウン・ミュージック・ホールディングス(DMH)の最高商業責任者をそれぞれ務めた。音楽テクノロジー分野の投資家兼アドバイザーとしても活動しており、今年初めには権利管理プラットフォーム「OpenPlay」の資金調達ラウンドを主導。同社取締役会に加わり、独立系セクター向けデータ駆動型ツールの拡張を支援している。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
「一兆円を超す今年の音楽投資ブームを牽引した音楽フィンテック「beatBread」のCEOに「CD Baby」の元CEOトレーシー・マドックス氏が就任した。beatBreadはAIでストリーミング収益を予測し、インディーズアーティストに制作費や宣伝費を前払い。権利は保持したまま資金調達できるサービス。最近、1億ドル(約156億円)をアーティストに出資するファンドを英国インディーズレーベル協会と設立している。CD Babyは世界でTuneCoreに次いで有名なディストリビューター。親会社のダウンタウン・ミュージックは現在、ユニバーサルミュージックが買収しようと試みている最中だ。先ほども書いたが音楽カタログが不動産と同等の扱いを受けるようになり、急速に音楽フィンテックが実用段階に入っている。日本はどうなるか」ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
ポッドキャスト概要:
Musicman Podcast — 業界の“今”を深掘り
「Musicman大学」は世界の音楽業界の最新トピックスを解説。講師は『音楽が未来を連れてくる』の著者、Musicman編集長・榎本幹朗。「Talk&Songs」は月間500組ものアーティストニュースを担当するKentaが選ぶ、今聴くべき楽曲と業界人必聴のバズった曲を解説。
Spotifyでポッドキャストを聴くプレイリスト概要:
記事連動セレクション — エピソードと繋がる楽曲たち
月間500のアーティスト記事から厳選した楽曲と、業界人必聴のバズ曲をプレイリストで。最新シーンの決定版!
Spotifyでプレイリストを聴く@musicman_nusicman
広告・取材掲載