ソニー、音楽著作権ビジネスは13%増収 25年7月〜9月期
ソニーのレコード音楽事業と音楽出版事業を合わせた売上高は、2025年7月〜9月に28億9,000万ドル(約4,550億円)となり、前年同期比13.3%増加した。ソニーグループが公表した決算報告書を基に、Music Business Worldwideなどが独自に米ドルに換算して算出した。
この計算では、ソニーの全世界における音楽制作事業および音楽出版事業は含まれるが、ゲームやアニメなどの「ビジュアルメディア・プラットフォーム」部門の売上高は除外されている。
なお、音楽マーチャンダイジングやライセンシングを含む、ソニーの「付随的」音楽著作権ビジネスは「レコード音楽」の売上として計上されている。
売上高を部門別に見ると、レコード音楽事業は12.1%増の21億8,000万ドル。うち14億2,000万ドルはストリーミング(サブスクリプション収入+広告収入)によるもので前年から11.7%伸びている。フィジカルは8.4%増の1億8,490万ドル、「付随的」音楽著作権ビジネスは16.8%増の5億2,900万ドルだった。
音楽出版部門は17.2%増の7億1,800万ドル。このうち4億4,200万ドルはストリーミング由来で24.8%拡大した。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
「ソニー・ミュージックが絶好調でソニーグループ全体の決算を押し上げた。ストリーミング売上成長率は、音楽制作で前年同期比プラス12%増、音楽出版も17.2%増で、巨額のカタログ買収も大当たりという状況だ。世界の音楽ストリーミング売上の成長率7.3%(2024通年 IFPI)と比べるとどれほど伸びているか分かる。決算では音楽部門と分けられているが、日本のソニー・ミュージック傘下アニプレックスが「鬼滅の刃」無限城編で興行売上1,000億円を突破。実写の「国宝」もアニプレックス傘下の製作だった。アメリカのSMEからはBeyoncéの「COWBOY CARTER」がグラミー賞に。カントリーブームを見事に捉えた。映画部門のソニー・ピクチャーズはNetflix史上最高視聴数を記録したアニメ「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ」を製作したが、買い切り方式でNetflixに売ったので「あれはソニーで上映しておけばよかった」と惜しまれている」ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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