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Spotifyのライブ音楽事業トップ、チケット販売戦略を語る Music Ally

ビジネス 海外

過去1年間で、22万8,000組のアーティストがSpotifyにコンサート情報を掲載。そのうち18万2,000組がファンにその情報がクリックされ、7万4,000組のチケットが販売された。同社のライブ音楽部門のビジネス開発で責任者を務めるジョン・オストロウ氏の話を元に、Music Allyが9月2日伝えた。

オストロウ氏は「ライブイベントをプラットフォームにシームレスに統合する適切な方法を見つけることが最優先課題だった」とコメント。1年半をかけてデータ連携の技術を整えると、今年初めからチケット販売事業者との提携交渉が急速に進展し、提携先が35社に拡大した。

同社の発見メカニズムを通じたチケット販売と観客動員への貢献度合いを見ると、全体で二桁成長を実現。中でも新進アーティストへの影響が顕著という。

併せて、転売の概念や規制の度合いも市場ごとに異なることから、意図的に二次販売/転売市場に関与せず、一次販売会社のみと提携してきたと明かした。

年内導入の高価格帯プランの主要機能にコンサートチケットへの早期アクセスが含まれると報じられているが、それには触れず、音楽だけでなく、コメディーなどその他イベントのチケット販売にも可能性をみていると話した。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「Spotifyに1年で23万組弱のアーティストがコンサート情報を掲載し、その3分の1弱がチケット販売に繋がったという(Music Ally)。記事にあるとおり新進アーティストが特に恩恵に浴しており、これは朗報だ。Spotifyは日本でもローチケ、イープラス、Zaikoと提携済み。今年始まると噂される高価格帯プラン(Music Pro)の目玉がチケット先行なだけに、チケット販売の促進には本気だろう。対抗するApple Musicも世界最大の音楽コンサート会社ライブ・ネーションと提携。YouTube Musicも世界最大級のライブ発見プラットフォームBandsintownと独占的提携をしている。聴き放題からスーパーリスナー、スーパーファンへ繋げていくのがここ2年の世界の音楽産業のトレンドだが、聴き放題とチケットの連携は着々と進んでいる感がある」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。