ドイツ原盤市場、2025年上半期は1.4%拡大 伸び大幅減速

ドイツ音楽産業連邦協会(BVMI)は7月24日、ドイツの録音原盤の売上高が2025年上半期(1〜6月)に11億5,700万ユーロ(約1,985億2400万円)となり、前年同期比1.4%増加したと発表した。前年同期の7.6%増から大きく減速。インフレ率(年率)がここ数カ月は2%前後で推移していることを考慮すると、やや縮小したこととなる。
デジタルは20億100万ユーロと3.9%拡大し、総売り上げの87.5%を占めた。このうち、ストリーミングは3.8%伸び、全体に占める割合は81.2%に到達。ダウンロードは9.8%縮小している。
フィジカルは13.2%と大きく減少。CDは20.1%減り、レコードは2.6%落ち込んだ。売り上げ全体に占める割合はそれぞれ6.3%、5.6%となっている。
過去数年停滞してきたドイツ経済の全般的な不調が反映された結果となったが、BVMIのフロリアン・ドリュッケ会長兼CEOは「われわれは現在、ドイツのような先進国市場においてさえ、成長の可能性が残されているエキサイティングな段階にある」と楽観的な見方を維持している。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「かつて日本と共にCD大国だったドイツだが2025上半期の音楽ソフト売上は11億5,700万ユーロ(約1,985億2400万円)で前年同期比1.4%とインフレ率2.2%を下回った。ここ数年のドイツ経済の悪化を反映しているとも言えるが、ストリーミングの伸びは3.8%増で、その他の伸び悩みをカバーしきれなかった。アメリカ、イギリスに続き、やはり音楽サブスクの普及がドイツでも終わった印象を受ける。なおドイツのCDが売上を占める割合は6.3%まで下がっている。増と」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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