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Spotify「わずか2%の『スーパーリスナー』がコンサートチケットの50%購入」

ビジネス 海外

Spotifyは7月22日、アクティブオーディエンスの中でも最も熱心なリスナーである「スーパーリスナー」に関する統計を発表。アーティストの規模にかかわらず、スーパーリスナーは各アーティストの月間リスナーのわずか2%に過ぎないものの、月間再生数の18%以上と、 Spotifyでのチケット販売数の50%を占め、自身のネットワークで音楽を共有する可能性が9倍高いという。

スーパーリスナー1人当たりの再生数は、アーティストのプログラムされたソースのオーディエンス(プレイリストやレコメンデーションに表示されたからという理由でトラックをクリックするリスナー)20人分に相当。過去30日間にツアー中のアーティスト1人当たり25ドル以上をグッズやライブなどに消費した。

スーパーリスナーの50%以上が、特定のアーティストの音楽を見つけてから半年後も当該アーティストの音楽を再生し続けている。

Spotifyはファンを6つのグループに分類。過去28日間にアーティストページ、リリースページ、保存したライブラリなど、アクティブなソースから能動的にあなたの音楽を探したリスナーである「スーパーファン」を最上位に、「モデレートリスナー」「ライトリスナー」「以前のアクティブリスナー」「プログラムされたソースのリスナー」「潜在リスナー」の順で分けている。

アーティストは「Spotify for Artists」のオーディエンス分析で、リスナーの内訳を確認できる。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「Spotifyのスーパーリスナーは各アーティストの月間リスナーのわずか2%だが、アーティストの月間再生数の18%、自動おすすめで受動的に聴くリスナー20人分の再生数、チケット購入の50%、Xなどでの共有は9倍になり、その50%以上がアーティスト発見の半年後も再生してくれる(Spotify)。スーパーリスナーの定義は検索やプロフ、保存プレイリストなどから能動的に聴いた存在(4週間以内)。Luminateによると米リスナーの18%がチケットやグッズを買うスーパーファンとしている。スーパーファン、スーパーリスナーともに新しい言葉で定義も揺れているが、狭義のスーパーファンがWeverseのようなスーパーファン・プラットフォームに加入してアーティストに月額を払い、ライブ配信やアーティストとのコミュニケーション、限定チケットや限定グッズの購入を楽しむファンとすればそれをやらないスーパーリスナーも多くなり、スーパーファンの層は狭くなるが、ライブに行きT-シャツやCDなど物販購入も楽しむ層を広義のスーパーファンとLuminateのように捉えると、Spotifyのいうスーパーリスナーと層がかなり被ってくる。広義のスーパーリスナー向けのサービスが次の課題として見えてくる」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。