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Spotify、市場予想に反して増収率が鈍化も アナリストが第2四半期を予想

ビジネス 海外

Spotifyの株価は年初から58%上昇し、リターン(収益率)は2022年の低水準から10倍に達する勢いだ。一方で、第2四半期(4〜6月)の増収率は「伸びる」との市場予想に反し、競争や為替の逆風により、13%に鈍化するとの見方もある。アナリスト「YR Research」の分析を、金融メディアのSeeking Alphaが7月6日伝えた。

これまでSpotifyのビジネスモデルに対して懐疑的な見方をしてきた投資家たちも、黒字化を達成し、ストリーミングおける音楽業界の揺るぎないリーダーとして頭角を現したことで、強気派に変心。力強いユーザー数の伸びと営業レバレッジ(売上高の変動に伴い利益が大きく変動する現象)も株価の追い風となっている(同アナリストは営業レバレッジの終えんを予想)。

企業評価額は予想収益の70倍と、Netflix(42倍)やコストコ(55倍)を大きく上回る水準に到達。しかし、同アナリストは、この評価額を支えるだけの価格決定力や粗利益率を持ち合わせていないとして、投資判断を「売り」に引き下げている。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「Spotifyの株価が強気の理由を金融アナリストが分析。株価収益率が本日時点で73倍(ざっくりいうと株価が一株あたりの今の利益の73年分になっている)とかなり高値だが、今年2月に初めて通期黒字化を達成したことと、新興国を中心に力強くユーザー数が伸びていることが好感された。先進国で音楽サブスクの成長が鈍化するも、Spotifyの強みである基本無料と新興国でのスマホ普及が依然、同社に大きなブルー・オーシャンを提供している。先進国でも高価格帯プランのMusic Pro始動が控えており、アメリカ等では既にオーディオブックとのバンドルも進んでいて、いわゆるアップセリングの下地づくりが出来たことも評価されたと私は見ている」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。

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