Spotify、第1四半期は利益3倍増 予想割り株価下落

Spotifyは4月29日、2025年第1四半期(1〜3月)の営業利益が前年同期から約3倍の5億900万ユーロ(約832億2,400万円)となり、四半期ベースで過去最高を記録したと発表した。ただ、株価上昇による社会保険料の負担増が響き、予測値(5億4,800万)は割った。1株当たり利益(EPS)は1.07ユーロと市場予想(2.13ユーロ)を下回り、これを受け、株価は6%下落した。
総売上高は41億9,000万ユーロと15%拡大。粗利益率は31.6%と1年前から4ポイント上昇した。
月間アクティブユーザー数(MAU)は10%増の6億7,800万人。有料会員数は12%増の2億6,800万人と、同社予想を300万人上回り、第1四半期としては2020年以降で最多の純増数となった。
第2四半期については、総売上高が43億ユーロ、粗利益率が31.5%、営業利益が5億3,900万ユーロになると予想。MAUは6億8,900万人、有料会員数は2億7,300万人にそれぞれ伸びるとみている。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「Spotify、四半期ベースで過去最高の営業利益も株価下落。コメント時点で一株あたりの株価は€526.5、一株あたりの利益は€1.07でかなり割高、市場予想は一株あたり€2.13の利益だったので予想の半分だった。投資対象として見た場合、同社の成長余地はサブスクの伸び悩む先進国での値上げ(今夏という報道もある)、新興国での成長、そして高価格帯プランやスーパーファン向け(例えばアーティストごとに特別コンテンツを設け、月額を設ける)のサービスの提供、オーディオブックやVodcastなど急進するノンミュージックコンテンツでの売上増加などがポイントになっている。それはサブスクの成長が一段落した音楽産業が次に何を目指すべきかのメルクマールにもなっている」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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