「楽譜のためのShazam」 Songscription、自動採譜AIモデルを発表

AI新興企業Songscriptionが、フリーミアムモデルの自動採譜サービスを発表した。同社のアンドリュー・カーリンズCEOの話を元に、TechCrunchが6月30日伝えた。
音楽トラックやMIDIファイルをアップロード(またはYouTubeのURLを貼り付け)すると、ダウンロード可能な単一楽器の楽譜に書き起こせる。対応楽器はピアノ、フルート、ギター、バイオリン、声楽、ドラム、サックス、クラリネットなど。
著作権への影響について、カーリンズCEOは「音楽学習者には、曲を聴いて耳で楽譜を書き起こし、自宅のピアノで演奏することが許されているため(演奏料を請求しない限り)、テクノロジーを駆使したプラットフォームを使用することが、法的境界を越えるかどうかは完全には明らかではない」とコメント。「ただし、この分野は発展段階にあり、自社のサービスがグレーゾーンに入る可能性があることは理解している」と付け加えた。
ファイルをアップロードするには、選択したオーディオファイルを書き起こすのに必要な全ての権利を所有または取得していることに同意することが求められる。
同社はAIの訓練データを得るために、ピアノ演奏や楽譜を共有または販売してくれる音楽家たちと協力。パブリックドメインの楽譜も使用しているが、訓練データの大半は合成データという。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「新興企業SongscriptionがAIで自動採譜を基本無料で展開すると発表。音源を楽譜に起こすアプリは昔からあったが、生成AIの登場で精度が向上しているジャンルだ。気になる著作権関連だがSongscription社は利用者に書き起こしの権利を取っていることに同意を求める。またAIの学習素材もクリーンで、訓練データの大半は合成データというのも、そういう学習スタイルもあるかと関心させてくれる」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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