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音源分離技術オーディオシェイク、21億円を追加調達 顧客40社以上

ビジネス 海外

AI搭載のオーディオ分離技術を手がける米新興企業オーディオシェイク(AudioShake)は10月1日、1,400万ドル(約21億3,800万円)を追加調達したと発表した。新たな資金は、製品開発・人材採用・市場拡大施策に充てられる見通し。

今回の資金調達ラウンドはShine Capitalが主導。Thomson Reuters Ventures、Origin Ventures、Background Capital、既存投資家のIndicator VenturesおよびPrecursor Venturesが参加した。累計調達額は約1,900万ドルに上る。

同社は併せて、過去1年間で40件超の企業契約を獲得し、前年比400%の収益成長を達成したと明かした。顧客には、ユニバーサル ミュージック グループ(UMG)、ディズニー・ミュージック・グループ(DMG)、ワーナー・ミュージック・グループ(WMG)、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー、NFLフィルムズ、「大半の」マグニフィセント・セブン(アルファベット、マイクロソフト、アマゾン、アップル、メタ・プラットフォームズ、エヌビディア、テスラ)などが含まれる。

オーディオシェイクの技術は、BMGとReservoir Mediaがそれぞれ、ニーナ・シモン、デ・ラ・ソウルの「没入型ストリーミング配信」の実現で採用。AI訓練や音声吹き替え、ライセンス音楽やノイズの除去などにも活用されている。

(文:坂本 泉)

榎本編集長

「オーディオ分離AIのオーディオシェイクが、Apple、Amazon、MicrosoftのようなIT大手からユニバーサルミュージック、ワーナーミュージック、ディズニー、ワーナー・ブラザースのようなコンテンツ大手に至るまで幅広い出資を受けた。昔の映画の吹き替えや過去曲のリミックス、アレンジ用のステム抽出はもちろんのこと、BtoCならCD音源からボーカルを抜いたカラオケトラックの生成、先端メディアなら没入型ストリーミングの音源の生成まで、具体的な要素技術として評価された形だ。ChatGPTのような万能型AIやSora、Sunoのようなコンテンツ生成AIに加えて、こうした特化型の専門的な生成AIが認められる時代に入ったと見てよいだろう」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。