広告・取材掲載

広告・取材掲載

ディストリビューターが指南する、楽曲のリリース戦略

ビジネス 海外

音楽ディストリビューターの米シンフォニック・ディストリビューションが、音楽リリース戦略の構築方法を解説している。

・早めにスタート
リリース戦略は遅くとも4~8週間前から開始。週ごとにコンテンツを展開し、リリースを予告。プレセーブを獲得し、プロモーションの機会を準備する。Spotifyなどが編集プレイリストに検討する時間にもなる。

・期待感を高める
ティーザー・コンテンツ、舞台裏映像、限定コンテンツなどを用意して種をまく。プレセーブで早期の需要を示すことで、Spotifyなどのアルゴリズムに良い効果が期待できる。4週間前にはキャンペーンを設定し、バイオグラフィー、ニュースレター、ソーシャルでリンクする。

・全ての資産を準備(そしてダブルチェック)
プロモ開始前に、資産がロックされ、ロードされ、全体的に一貫性があるか確認。画像のぼやけやタイトルのタイプミスなどがあると、プロモ全体が台無しに。正確な曲名や完全なメタデータなど必須のもののほか、プレス用・ファン向け素材なども用意すると良い。

・正しいプラットフォームの選択とDSPツールの活用
各種DSPとソーシャルプラットフォームが提供している分析ツールを使って、自分のオーディエンスに適したプラットフォームを選択し、注力する。

・リリース後も継続
ストーリーを継続させれば、曲の賞味期限は長くなる。舞台裏の映像をミニドキュメンタリーにしたり、ミュージックビデオをInstagramリールやTikTok用の短いクリップに分割したり、コンテンツを再利用。編集者やキュレーターへの売り込みも続けよう。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「新曲を配信しても再生数が伸びないアーティスト向けにToDoリストを先々週に記事化したが、ディストリビューターの助言も見つけたのでこちらも記事化しておく。少なくともリリース二ヶ月前からプランを立て、期待感を高めるティーザー、舞台裏映像、限定コンテンツを事前に用意しておくというのは先々週の記事と同じだが、画像のぼやけ、タイプミス、メタデータの入力漏れ(※ここが適当で損している曲が多い)など音楽サブスクのアルゴリズムを狂わせるミスをしっかり潰しておくこと。それと他の人のを参考にニュースにしてもらえるフックを仕込んだプレスリリースをしっかり用意しておくこと。そして当日にライブや生配信を用意するだけでなく、リリース後もミニドキュメントを出したり、MVを幾通りもの短尺動画に編集して定期的にSNSへばらまく。音楽配信が用意してくれている分析ツールから人気の出てる層を把握して、リリース後もエディターやキュレーターに売り込みの投稿を続けることが大事だという。みなさまの健闘を祈る」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。