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テンセント・ミュージック、ソニーとライセンス契約更新 ユニバーサル株2%取得

ビジネス 海外

中国最大の音楽配信サービス運営会社テンセント・ミュージック・エンタテインメント・グループ(TME)は5月13日に発表した決算の中で最近の取引状況を公開。ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)との複数年契約を更新したほか、ユニバーサル ミュージック グループ(UMG)の株式2%を「自社の関連会社から現物分配で」取得したなどと明かした。 

SMEとの新たな契約には、TMEの高価格帯プラン「スーパーVIP(SVIP)」のユーザーへの、ソニーの空間音響技術「360 Reality Audio」の提供が盛り込まれている。 

TMEによれば、SVIPが有料会員1人当たりの月平均課金額(ARPPU)の成長の原動力で、SVIP特典の中でも高音質が依然として「重要な魅力」という。 

このほか、長編オーディオコンテンツがSVIP保持率を高めたと指摘。TMEは、中国最大のオンライン・オーディオ・プラットフォーム「シマラヤ(Ximalaya、喜馬拉雅)」を24億ドル(約3,500億円)で買収することで交渉しているとも報じられている。シマラヤにはSMEが出資している。 

さらに、TMEのプラットフォームで韓国語、英語、日本語の楽曲への関心が高まっていると説明。「韓国のエンタメ企業や日本を代表するACG(アニメ・マンガ・ゲーム)エンターテインメント企業との協業を深め、プラットフォーム全体の文化的多様性を強化した」としている。 

(文:坂本 泉)  

榎本編集長「世界の音楽サブスクのシェア2位はApple MusicではなくてTencent Musicというのはあまり知られてないが中国中心なので伝わらないのだろう。逆に中国の音楽ソフト市場にメジャーレーベルがアクセスしようと思ったらTencent Musicは欠かせず、今月中旬にソニーミュージックが同社と複数年のライセンス契約を更新した。GoogleやXなどが中国から締め出された事例を学んだ音楽産業は、Tencent Musicと株式の持ち合いを進めている。既に同社はユニバーサルミュージックの株を20%ほど所有しているほか、ソニー、ワーナー、そしてSpotifyとも株の持ち合いを実現。記事にある通り今月、ユニバの株をさらに2%取得した」

 

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。