TikTok、北米クリエイターの収益分配率を最大90%に引き上げ

TikTokは10月1日、収益化プログラム「サブスクリプション」における収益分配率を更新。米国とカナダのクリエイターの収益分配率を最大90%に大きく引き上げた。主要ソーシャルプラットフォームの中でも最高水準となる。
同社は従来、全世界共通でサブスク収益(アプリストア手数料を差し引いた後)の基本分配率を50%とし、パフォーマンスに応じたボーナスの20%を加算して、最大70%をクリエイターに分配していた。しかし今回、米国およびカナダ在住者の基本分配率を70%に引き上げたことで、ボーナスを合わせて最大90%を報酬として受け取れるようになった。
北米でより高い収益分配率を採用する具体的な理由などは明かされていないが、米国事業の売却を巡る先行き不透明感から、競合のYouTubeやInstagramにクリエイターが流出することを防ぐ狙いがあるとみられる。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
「TikTokには、YouTubeのメンバーシップと似たスーパーファン向けの「サブスクリプション」機能があるが、そのサブスク収益の90%をクリエイターに渡すという大盤振る舞いが今月から始まっている。記事のとおりアメリカ限定。国際政治に巻き込まれてアメリカでの存続が不透明だったことで、InstagramやYouTubeへ軸を移動しつつあったクリエイターを繋ぎ止めるための施策のようだ。TikTokのアメリカ事業売却は中国側の承認が先月降りているが、関税競争で未だに不安定な状態が続いている」ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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