トランプ米大統領、TikTok米事業の継続に向けた大統領令に署名 中国側の取引承認を主張

トランプ米大統領は9月25日、TikTokの米事業売却を巡る取引が、2024年に制定された法律に準拠していることを宣言する大統領令に署名した。トランプ氏は、中国の習近平国家主席がこの取引を承認したと主張。ただ、中国側は承認したかどうかを公に表明していないため、この取引は依然として不透明な状況にある。
米当局によると、TikTokの米国向けアプリは米国に拠点を置く新たな合弁会社が運営する。同合弁の過半数株を米国投資家が所有し、国家安全保障法で要求される通り、TikTokの親会社であるバイトダンス(北京字節跳動科技)の持ち株比率は20%未満に縮小。バイトダンスは取締役7人のうち1人を選任し、新会社のセキュリティー委員会から除外される。
米クラウド大手オラクルが安全なクラウド環境で情報を保管するとともに、同国におけるTikTokの全業務の安全性を監視。アルゴリズムは「1から」再訓練され、新会社の管理下で運用される。
米政府は、新合弁の企業評価額を14億ドル(約2,080億円)と見積もっている。取引完了期限は2026年1月20日。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「既にご存知と思うがTikTokの米事業売却取引にトランプ大統領が署名。オラクルがアメリカ事業のシステムを管理することで、米国での安全保障が確立する。「アメリカ国内だけのことではないか」と思われるかもしれないが、音楽産業の中心であるアメリカで政治リスクが減ったことは、他の国を含めたグローバル・プロモーションの活性化に繋がる点で、J-POPの海外展開をテーマにする日本の音楽業界にも好影響だろう。先日、日本と同じCD大国だったドイツでチャート1位を獲得した曲の3分の1が最初にTikTokでバイラルが起きたと記事化したが、デジタル売上比率が上がるに連れ日本でも同様の現象が起こると同時に、それはJ-POPの海外への波及を強めていくことになりそうだ」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
関連リンク
- 米大統領府公式
- Music Ally:Executive order claims to have ‘saved TikTok’ – but has it?
- Reuters:Trump signs order declaring TikTok sale ready and values it at $14 billion
- Bloomberg:Trump Signs TikTok Order With US App Valued at $14 Billion
- China Daily:Washington urged to take faithful action
- TikTok、米国版アプリを開発中か 事業売却の合意を前に
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