アーティストブランドの構築ガイド DIYアーティスト向けディトリビューター「CD Baby」が解説

DIYアーティスト向けディトリビューターの「CD Baby」が、音楽マーケティングが重要なこの時代に、アーティストとしてのアイデンティティーを確立するための実践的なヒントを紹介している。
音楽をアーティストブランドの基盤に変換
音楽から得られる基本情報(ジャンル、影響を受けたアーティスト、ムード、テーマ/アイデア、望ましいリスナーへの影響)を分析する。
アーティストとしてのブランドストーリーを語ろう
リスナーの興味や経験に共感できる存在となるための要素(あなたの属性、信念、経験)を特定する。
アーティストとしての核心的価値観とメッセージを定義
あなたの音楽は人生の中でどのような位置づけか、何を伝えようとしているのか、ファンのためにどんな世界を創り出そうとしているのか。
現在のブランドの存在感を評価
ブランドの基盤、価値観、アイデンティティーを文書化したところで、ソーシャルメディアのプロフィール、ウェブサイト、グッズ、カバーアートがどの程度反映しているか評価。一貫性、ブランドとの整合性などを検討する。
オーディエンスを理解
ファンペルソナを設定し、ファンエンゲージメントを分析して、ファンを惹きつける要素を理解しよう。
協業パートナー向けにブランドを翻訳
グラフィックデザイナーや報道関係者などと協業する場合、さまざまな素材を通じてブランドを表現する必要がある。クリエイティブな参考資料、ムードボード、報道引用文を用意し、ビジョンを明確に伝えよう。
オンラインでのブランド展開
ソーシャルメディア、ストリーミングプロフィール、ウェブサイト、電子プレスキット(EPK)をブランド整合性の観点で確認し更新する。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「CD Babyはアメリカで人気のディストリビューター(日本ならTuneCore)だが、同社がDIYアーティスト向けに、音楽マーケティングの基本となるチェックリストを出していたので紹介。えらく難しいように見えるかもしれないが、例えば自分をマンガの登場キャラクターのアーティストと考えたらどんなキャラ付けになっているか、自身の背景のストーリー、ファンはどんな感じの人たちが多いのか、自分の音楽の核心的メッセージやイメージをつらつらと書き並べてみることから始めるとよい。AIに「テイラー・スウィフト(←ここに色々な著名アーティストの名前を入れてみる)のブランド・ストーリー、ファンのペルソナ、アーティストとしての核心的メッセージ、音楽から得られる基本情報」と質問しても勉強になるのでやってみてほしい。バークリー音大の教授がアーティストのブランディングについてセミナーをやったのを取材してあるので、今後Musicmanで記事化してシェアする予定だ。」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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