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Deezer、1日3万曲のAI生成音楽がアップロード 全体の28%に拡大

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フランスの音楽ストリーミングサービスDeezerは9月11日、同プラットフォームで1日にアップロードされるコンテンツのうち、約28%に当たる3万曲超が完全にAIが生成した楽曲だと明らかにした。1月時点の約10%、4月時点の18%から大きく拡大している。

アレクシス・ランタニエCEOは「AI音楽は現在、音楽ストリーミングサービスへの日々の楽曲配信において重要な部分を占めるようになり、 われわれはアーティストとファンの双方にとって、あらゆる悪影響を最小限に抑える先導役となることを目指している」とコメント。

Deezerでは再生操作を検出した場合、ロイヤリティー支払いの対象から除外。完全にAIによって生成された楽曲をアルゴリズムと編集によるおすすめから外している。今年1月にはAI音楽の検出ツールを、6月には音楽ストリーミングのための世界初のAIタグ付けシステムをそれぞれ導入するなど、AI音楽への対策に積極的に取り組んでいる。

完全にAIが生成した音楽は現在、Deezerでのストリーミングのごく一部(約0.5%)しか占めていないが、再生数のうち最大70%が不正という。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「欧州でSpotify、Apple Musicに次ぐ知名度を持つDeezerが、1日にアップされる楽曲の28%相当が完全にAI生成で、これを毎日削除していると公表した。記事にある通り、1月の10%から急拡大しているが、防衛用のAIの活用などによりDeezerでのストリーミングの0.5%に押さえているとのこと。AIで生成した楽曲を音楽配信にアップしてAIで再生して売上を掠め取るストリーミング詐欺の被害額は3500億円相当とされており、日本の音楽ソフト売上を超える規模になっている。SpotifyやApple Musicも生成AI楽曲に対する防衛戦を敷いており、総再生数の1%以下に抑え込んでいる。なおDeezerは生成AIが一部使用されている楽曲に「AI製」というタグを付けた初めての大手音楽サブスクになっている。フランス発のため、成長著しいアフリカ圏でもDeezerは大きなシェアを持っている」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。

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