WSJ紙「Apple MusicはSpotifyにさらに後れを取っている」 DMNが反論

Apple Musicは近年、Spotifyにさらに後れを取っているーー。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は8月27日、Apple Musicの24時間放送のラジオ局が自社アプリ以外の「TuneIn」で提供開始となった背景に、こうした実態があるとの見方を示したが、Digital Music News(DMN)はこの主張に異議を唱えている。
WSJはAppleとTuneInの提携について「Apple Musicのラジオリスナーを、近年Spotifyに大きく後れを取っている自社の音楽サービスの有料会員へ転換する狙い」と解説。英国の音楽専門コンサルティング・ファームのMIDiAのデータを引用し、米国のデジタル音楽サブスクリプション市場におけるAppleのシェアは2020年の30%から2024年末には25%に低下した半面、Spotifyは31%から37%に伸びたと述べた。
DMNは、そもそもWSJが参照した2024年末時点のデータには、機能追加から値上げまで、最近までの多くの変化が反映されていないと指摘。独自のデータベースを基に算出した2025年5月時点の市場シェアは、Spotifyが約37%、Apple Musicが約32%と、Spotifyが僅差でリードを守っていると状態だと強調した。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「SpotifyとApple Music、勢いがあるのはどっち? 英MIDiA社によると世界的にはSpotifyが一位で32%と安定、Apple Musicは三位の12%でシェア低下、伸びているのは五位のYouTube Musicで10%だった(参照)。MIDiAはアメリカの市場調査も行い、Appleは2020年の30%から2024年末には25%に低下、Spotifyは31%から37%に伸びたと発表。ここに異論を挟んだのがDigital Music Newsで同社は今年春、Spotifyの米国での有料会員数が微減と報道した一方で、今回のMIDiA社の発表に対しては反論し、2025年5月時点の市場シェアは、Spotifyが約37%、Apple Musicが約32%と報道。私の見解は「Apple Musicのラジオ、「TuneIn」で配信開始」にてコメントしたので参考にしていただければ幸いだ」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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