米国の音楽サブスク契約者数、2025年も横ばい傾向 節約志向でグループプランが人気?

米国の音楽配信市場の飽和状態により、デジタル音楽配信事業者(DSP)の有料契約者の伸びは、2025年に入ってもほぼ横ばい状態が続いている。独自のデータベースを基に、Digital Music News(DMN)が伝えた。
5月時点の市場シェアは、Spotifyが首位で約37%(米国加入者数は約5,380万人)。これにApple Music(31.5%、4,590万人)、Amazon Music(21.6%、3,150万人)、YouTube Premium/Music(7.1%、1,030万人)、Pandora Premium(1.8%、260万人)だった。
Spotify、Apple、Amazonで全体の90%以上のシェアを占め、これにYouTubeとPandoraを加えた上位5つでは98.9%に到達する。
2024年12月と比較すると、Spotifyは0.8ポイント拡大した半面、Appleは0.13ポイント縮小。Amazonは1.5ポイント減り、YouTubeはほぼ1ポイント伸びた。
一方、プラン別の純増数を見ると、Spotifyは個人が64万6,000件、デュオが35万5,000件のプラス。AppleとYouTube(いずれもファミリー)はそれぞれ、79万9,000件、約48万件の伸びを示した。グループプランの拡大の背景には、顧客の節約志向があるとの見方もある。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「今年はじめSpotifyのアメリカでの有料会員数が微減したと報道があったが、5月時点でも横ばいが続いていることがDMNの調査で分かった。つまり微減は一時的ではなく、音楽サブスクの普及が終わり、成長が終わったことがほぼ確定した。何度か書いているが、日本はヨーロッパの7年遅れ、アメリカの5年遅れで「サブスク元年」が始まったのでまだ成長は続くとはいえ、日本も私の予想よりも3年ほど早く、横ばいではないが低成長期に入っている。サブスクの次のビジネスモデルについては既に私は書き倒しているのでどこかでお読みいただければ幸いだ」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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