YouTubeショートの収益、通常動画と同等に TikTok超えるトレンドセッターなるか

YouTubeショートの視聴時間当たりの収益が、米国を含む複数の国で通常の長編YouTube動画に匹敵するまでとなった。米調査会社モフェットネイサンソン主催カンファレンスでのニール・モーハンCEOの発表を元に、エンターテインメントとメディアのビジネスを専門とするニュースサイト「The Wrap」が伝えた。
国によっては、ショートの収益性はYouTubeの中核事業を上回っている。これは、長編動画に比べて広告の表示回数が多いことや、AIを活用した広告ターゲティング、一般的な利用率が高いことが背景にあるとみられる。
YouTube全体の音楽視聴時間は、2024年12月時点で前年同期比10%増加。ショートがそのエンゲージメントの大部分を担っており、TikTokを超えるトレンドセッターとなることが期待される。
ショートの視聴者数は、2025年第1四半期(1〜3月)に前年同期から20%伸びたが、これは1月19日に施行予定だった「TikTok禁止令」も影響したとみられる。YouTubeチャンネルの約70%はショートコンテンツをアップロードしている。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「音楽ストリーミング売上はサブスクの売上と無料の音楽動画に付く広告売上のふたつがあるが、この音楽の広告売上が世界的に落ちており、動画視聴が長尺から短尺へシフトしたのが一因と見られてきた。しかし記事にある通り「YouTubeショートの視聴時間当たりの収益が、米国を含む複数の国で通常の長編YouTube動画に匹敵するまで」に至ったという。これが音楽産業の売上に実際、反映されてくるまで未確定だが近年、TikTokの音楽シーンでの席巻だけでなく、YouTubeも視聴が長尺より短尺が上回るようになっており、しかもYouTubeの短尺の総視聴時間はTikTokのそれを超えるなど常識がかわりつつある。こうしたなかYouTubeの短尺の広告売上がこの報道通り単価gが上がってきたのなら、それは地味ながら音楽産業にとって朗報だ。なぜなら未だに音楽聴取はYouTubeやTikTokなどの無料動画が大半というのが世界の現実だからだ」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
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