Vol.40 株式会社A-1 Pictures 取締役/制作グループ 本部長/クリエイティブグループ 本部長 落越 友則さん

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株式会社A-1 Pictures 取締役/制作グループ 本部長/クリエイティブグループ 本部長 落越 友則さん
株式会社A-1 Pictures 取締役/制作グループ 本部長/クリエイティブグループ 本部長 落越 友則さん

音楽・エンタテインメント業界の今を動かす、現場の業界人に、仕事内容や現在の仕事に至るいきさつなどを中心に伺っていくインタビューコーナー「Musicman Pick Up」。

第40回は、ソニーミュージックグループの映像クリエイターカンパニーである 株式会社A-1 Pictures 取締役/制作グループ 本部長/クリエイティブグループ 本部長 落越 友則さんのご登場です。

 

——現在どのようなお仕事をされているのですか?

落越:A-1 Picturesはアニプレックスが戦略的に作ったスタジオで、その立ち上げから、その後5年間のランニングを任されています。現在は制作グループとクリエイティブグループをとりまとめており、A-1 Picturesにある作品全ての企画や管理を、その制作状況も含めて見ています。

——1日の業務の流れはどのような感じですか?

落越:社外も社内も含めて打ち合わせが多いです。企画を成立させるための打ち合わせであったり、制作をしている作品の脚本の打ち合わせであったり、打ち合わせが1日のほとんどを占めています。

——これまでに携わった作品を教えてください。

落越:約5年前の『おおきく振りかぶって』という作品からスタートして、TVシリーズを約20本近く制作しました。最近では『宇宙ショーへようこそ』という映画を今年の6月に全国公開しました。

——現在の業界で働くことになったきっかけは?

落越:学生時代に映像を作る仕事をしていたこともあって「映画を作りたいな」という気持ちでSPE・ビジュアルワークス(現 アニプレックス)で働き始めたのがきっかけです。以降、現在とは違う職種で働いていた時期もありましたが、現在A-1 Picturesでモノづくりという部分で改めてチャレンジをしているという状況です。

——現在の仕事において、やりがいを感じる瞬間はどんなときですか?

落越:作品ができあがった瞬間というのは非常に嬉しいですね。また、これは音楽もそうだと思うんですが、作品は誰かに届いて初めて価値を持つと言いますか、誰かに届いて反応があって初めて完結すると思っていますので、「面白かった」「楽しかった」というような反応を実際に聞いたり、目にしたりすると、もう一つ上の達成感があります。

——この仕事の大変なところ、難しいところは?

落越:アニメーションはたくさんの方の考えや想いが結実して一つの作品になるんですが、そういった想いがお客さんやファンの方に伝わるかどうかは正直分からないんですね。「自分たちの想いが正しく伝わるかな?」という不安と期待を常に両面持ちながら作業を進めることになりますので、どれだけ強い気持ちを持ってやり続けられるかが大切であり、難しい部分でもあります。また、作品には多くの人が関わりますが、その中には色々な考えの方がいらっしゃるので、そこを一つに束ねていくのも非常に難しいです。

——仕事において、これだけは誰にも負けない!という強みは?

落越:特にそういった強みは正直ないですが、あえて言うなら、アグレッシブに攻めていこうという気持ちは負けないようにしたいですね。この業界には素晴らしい方々がたくさんいらっしゃいますし、我々はスタートを切ったばかりですので、学ぶことの方がやはり多いです。

——この仕事はどんな人に向いていると思いますか?

落越:好きなものに対して継続的に取り組める「意志の持続力」がある人がいいですね。”モノづくり”の仕事自体はすごく面白いんですが、仕事をずっと面白く感じ続けることができる能力であったり、常に目指すべきものを持ち続けることができる人はこの仕事に向いているんじゃないでしょうか? あとは単純に元気がある人ですね。よく笑ったり、元気があると周りの人たちの活力に繋がりますので。

——これから挑戦してみたいと思うことはありますか?

落越:A-1 Picturesという新しいスタジオが業界の中で一定の評価を得られるようにしっかりとした土台を築きたいです。幸いなことに現在、お仕事をたくさん頂けている状況ですが、これを積み重ねていきたいと思いますし、オリジナル作品や映画といったハードルは高いけれども自分たちの仕事が大きく実を結ぶような作品をもっとやらせていただけるようなスタジオにしていきたいですね。

——最後に、音楽業界を目指す人にひと言。

落越:この仕事は大変なことがたくさんありますが、一歩踏み出すことをためらわないで、たくさんの人にチャレンジしていただきたいと思います。皆さんの考えている楽しいことや、やりたいことがアニメ業界にあるのだったら是非飛び込んでいただいて、その想いを仕事にぶつけてもらいたいですね。

・株式会社A-1 Pictures:http://www.a1p.jp/
・『宇宙ショーへようこそ』公式サイト:http://www.uchushow.net/index.html

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-2010.12.15 掲載

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