ワーナー・ミュージック、Udio・スタビリティーAIと画期的な「アーティスト・ファースト」の契約締結 UMGに続き
ワーナー・ミュージック・グループ(WMG)は11月19日、音楽生成AI「Udio」と和解し、2026年に導入予定のUdioの新たなライセンス取得済みAI音楽創作サービスの開発で協業すると発表。併せて、画像生成AI「Stable Diffusion」や音声生成AI「Stable Audio」を手がける英スタビリティーAI(Stability AI)と次世代の責任あるAI音楽制作ツールの開発に共同で取り組むと発表した。
UdioとスタビリティーAIを巡っては、ユニバーサル ミュージック グループ(UMG)も11月に同様の契約締結を発表していた。Udioの親会社であるアンチャーテッド・ラボは今後、ライセンス供与された音楽で訓練された生成AIモデルを活用した次世代の音楽制作・聴取・発見プラットフォームを開発。参加を希望するアーティストの声や作曲家の楽曲を用いて、ユーザーがリミックスやカバー、新曲を作成できる一連のツールも導入する計画だ。
WMGのロバート・キンセルCEOはこの日、同社がAIパートナーシップにおける「譲れない3原則」として「ライセンスモデルを順守するパートナー」「音楽の価値を適切に反映した経済条件」「アーティスト・作家が自身の名前・イメージ・肖像・声の使用についてオプトイン(同意)を選択できる」ことを挙げた。
(文:坂本 泉)
榎本編集長
「Sunoに次ぐ人気の音楽生成AI、Udioとワーナーミュージックが和解、協業を発表。先月のユニバーサルミュージックに続く形となる。残るソニーミュージックはUdioとどのように交渉を進めるか。Udioとユニバの合意後、ユーザーがUdioで生成した楽曲をDLできなくなったことで、Udioをストリーミングサービスに変えようとしていることが分かっている。一方、本日記事化したがソニー、ユニバ、ワーナー三社が揃って包括契約を音楽AI企業のKLAYとしており、こちらはSunoやUdioのようなプロンプトで音楽を生成するのとは異なり「偉大なアーティストを称え、その技術を高める全く新しいサブスクリプション製品」になると予告している。予測通り、世界の音楽産業はAIの著作権侵害に対するディフェンスからAIを使って稼ぐオフェンスへ向かいだしたようだ」ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。
- WMG公式(Udio)
- WMG公式(キンセルCEO声明)
- DMN:Warner Music Inks Blockbuster ‘Artist-First’ AI Deals with Udio, Stability AI
- MBW:SUNO WILL BE READING ROBERT KYNCL’S NEW BLOG POST VERY CLOSELY, AS WMG CEO VOWS TO ‘LEGISLATE, LITIGATE, LICENSE’ IN THE ERA OF AI MUSIC CREATION
- 音楽生成AI「Udio」、和解後の楽曲ダウンロード停止にユーザー反発 48時間限定でダウンロード再開
- ユニバーサル ミュージック、音楽生成AI「Udio」と和解・ライセンス契約締結 Stability AIとも提携
- ワーナーのロバート・キンセルCEO、音楽業界と自社の将来像を語る
ポッドキャスト概要:
Musicman Podcast — 業界の“今”を深掘り
「Musicman大学」は世界の音楽業界の最新トピックスを解説。講師は『音楽が未来を連れてくる』の著者、Musicman編集長・榎本幹朗。「Talk&Songs」は月間500組ものアーティストニュースを担当するKentaが選ぶ、今聴くべき楽曲と業界人必聴のバズった曲を解説。
Spotifyでポッドキャストを聴くプレイリスト概要:
記事連動セレクション — エピソードと繋がる楽曲たち
月間500のアーティスト記事から厳選した楽曲と、業界人必聴のバズ曲をプレイリストで。最新シーンの決定版!
Spotifyでプレイリストを聴く@musicman_nusicman
広告・取材掲載