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中国テンセント・ミュージック、高価格帯プランが会員1,500万人突破 音楽サブスクは17%増収

ビジネス 海外

中国最大の音楽配信サービス運営会社テンセント・ミュージック・エンタテインメント・グループ(TME)は8月12日、2025年第2四半期(4〜6月)の純利益が24億6,700万人民元(約507億3,600万円)となり、前年同期比37.5%増加したと発表した。

総売上高は17.9%増の84億4,200万人民元。ソーシャルエンターテインメントサービス部門・その他は15億8,800万人民元と8.5%縮小した半面、オンライン音楽サービスは68億5,400万人民元で26.4%伸びた。

音楽売り上げ全体の約64%を占める音楽サブスクリプションの売上高は17.1%増の43億8,000万人民元だった。

オンライン音楽プラットフォームの月間平均利用者数(MAU)は3.2%減の5億5,300万人。一方で、6月末時点の有料会員数は1億2,440万人と6.3%伸び、有料会員1人当たりの月平均課金額(ARPPU)は11.7人民元で9.3%拡大した。

高価格帯プラン「スーパーVIP(SVIP)」の加入者数は1,500万人を突破し、有料会員全体の約12%を占めている(2024年第3四半期はそれぞれ1,000万人、8%)。

同社は6月から、韓国のエスエム・エンタテインメント子会社DearUとの提携で、中国でスーパーファン向けアプリ「Bubble」を展開。SVIPとのバンドル化で、さらなる成長を見込む。

TMEは音楽配信サービス「QQ Music( QQ音乐)」「Kugou(酷狗)」「Kuwo(酷我)」のほか、ソーシャルカラオケゲーム「WeSing(全民K歌)」を運営している。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「音楽サブスク売上で世界二位のテンセント・ミュージックのQ2売上は前年同期比37.5%増に。中でもSpotifyのMusic Proなどに先立って成功している高価格帯プラン(SVIP)が昨年の1.5倍に増え、1500万人を突破。記事にある通り、有料会員1億2440万人の12%に達したのは、音楽サブスクの低成長化が見えた先進国の音楽産業にとっても朗報だろう。かつて私は10年以上前に無料→聴き放題→高価格サブスク→アーティストごとのサブスク→都度課金のピラミッドを予測したが、テンセントはスーパーファン(アーティストごとのサブスクに相当)もSMエンタと進めており、ソーシャルエンタ(都度課金)と合わせてこのピラミッドをまず完成させる音楽プラットフォームになりそうだ。ただ、頂点に当たるソーシャルエンタは中国政府の規制で苦戦している。これを日本などがやるのも手だと5年前の著作で書いたので御一読いただければ幸いだ」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター。立教大学を卒業後、国外(ロンドン/シドニー/トロント)で日系メディアやPR会社に勤務した後、帰国。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や執筆、編集、撮影などを行う。